研究概要 |
1)フリーラジカルの素反応速度・機構 光イオン化質量分析計を用いて平成5年度のCH_3O_2+NOの素反応速度の決定に続いて、本年度はCH_2OCH_3,CH_2NH_2,CH_2I,CH_2CNなどの置換メチルラジカルとO_2の反応速度の決定がなされた[鷲田]。レーザー誘起ケイ光法を用いてCF_2+O,NH_2+NOの反応の速度と機構についての研究が行われた。特に両反応において振動励起が反応速度や機構におよぼす効果が解明された[山崎] 2)大気モデル実験 6m^3光化学チャンバーを用いて平成5年度のイソプレンの大気中の光酸化反応によるCO生成量の決定に続いて、本年度は8種類のハローカーボンのオゾン破壊能を決定する成層圏オゾン破壊モデル実験が行われた[鷲田]。 3)連鎖反応と化学反応モデル 振動励起反応を考慮に入れた成層圏大気反応モデルや、^<13>Cなどの同位体効果を考慮したメタンの対流圏反応モデルのための一次元モデルが準備された[鷲田,山崎] 4)大気中のOH,HO_2ラジカル計測手法 大気中のOHラジカルを計測する手法として赤外-紫外二重共鳴法によるレーザー誘起ケイ光法の開発が行われた。本年度は水蒸気の熱分解法でOHラジカル濃度を(5-20)×10^<10>molecule cm^<-3>で制御し、レーザー誘起ケイ光法が行われた。[渋谷] 5)ラジカルの不均一反応 フリーラジカルの気液界面での反応や適応係数を測定するためにインピンジングフロー装置を製作し、本年度はSO_2についての実験を行った。レーザー誘起ケイ光法でSO_2の濃度空間分布の測定を行い、種々の条件下で液相への取り組み係数を求め、適応係数の見積もりを行った。[幸田]
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