本年度は、まずECRイオン源から放出されるX線の全体像の把握とその測定方法の確立に重点を置いた。そのため、原子核実験で使用されている大容積のGe(Li)検出器を用いて、 (1)ECRイオン源動作中に、検出器前方のコリメーターを通らずに、部屋の壁、床その他の実験機器から反射して来て検出器に入るX線量を無くすシールドの配置を検討して、これらのX線量を実質上無視できるようなシールド方法を見い出した。 (2)予備的測定として、1MeV程度までの広いエネルギー範囲のX線スペクトルの測定を行った。イオン源をAr^<8+>とAr^<10+>とに調整した時のX線量が、数10keVから数100keVの範囲で大巾に異なることがわかった。 来年度は、この方向で更に詳細な測定を行う。
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