研究分担者 |
相原 利雄 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (90006172)
藤川 重雄 富山県立大学, 工学部, 助教授 (70111937)
長崎 孝夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30155923)
井上 剛良 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (20193592)
今石 宣之 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (60034394)
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研究概要 |
凝縮過程の分子熱工学的機構を実験および数値計算によって解明し,微粒子・薄膜製造における精密制御技術の基礎を確立することを目的とする研究を行い,次の成果を得た。 (1)パルス型超音速自由噴流を用いて大きいサイズ分布のクラスター分子線をつくり,その薄膜凝縮実験を行って,小さなサイズのクラスターは凝縮過程を促進する効果を持つが大きなサイズ分布になるとその効果は次第に飽和してくることを明らかにした(小竹)。 (2)有機金属化合物の熱CVDの気相および表面反応速度定数を決定して反応モデルを構築し成膜機構の解析を行うとともに,高速回転熱CVD装置の試作および数値解析を行い高速回転による成膜速度の均一化・高速化特性を明らかにした(今石)。 (3)強度および選別速度を制御した金属分子線の蒸着実験を行い,並進エネルギーによって膜結晶構造が異なること,強度が小さいときはエピタキャシャル膜、大きいときはランダム膜になることを明らかにした(井上)。 (4)金属蒸気のノズル膨張によるクラスター生成に関する減速電界法検出実験を行い,低融点金属の場合小サイズクラスターが検出されることをしめし、これらを均質核生成理論による解析を行うとともに,薄膜蒸着過程の電子顕微鏡観察を行った(長崎)。 (5)強い水素結合を有する会合性液体のメタノール蒸気の凝縮係数を衝撃波管端面膜凝縮実験により計測し0.15〜0.16の値を得た。さらに、気液界面での蒸気の温度適応係数を測定するために光干渉計の製作を行った(藤川)。 (6)分子動力学的計算により水および二酸化炭素のクラスター形成過程とそれに及ぼす温度・密度の影響を明らかにし、さらに、水の水素結合のネットワーク形成過程および分子の内部自由度のクラスター形成に対する影響を明らかにした(相原)。 (7)2次元レーザ誘起蛍光観装置を用いて高温超伝導体のレーザアブレション中のBa原子,BaO分子および発光種の挙動を観測し、その違いを明らかにするとともに,Ba原子のSi基板での反射の様子の撮影に成功した(岡田)。 (8)気相反応およびその冷却により酸化チタンおよび銀の凝集微粒子を生成し,加熱場での焼結緻密化および一次粒子成長過程を微分型モビリテイアナライザーで計測し,融点の20〜50%温度で焼結による急激な粒子径の変化が起こること明らかにした(奥山)。
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