研究課題/領域番号 |
05239104
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
黒崎 晏夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (70016442)
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研究分担者 |
服部 賢 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70016426)
一宮 浩一 山梨大学, 工学部, 教授 (30037923)
尾添 紘之 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (10033242)
前川 透 東洋大学, 工学部, 助教授 (40165634)
鞠谷 雄士 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70153046)
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キーワード | 凝固過程 / 能動的制御 / 高分子射出成形品 / 複雑断面繊維 / 電場・磁場 / 単結晶成長 / 連続鋳造スラブ / 繊維強化複合材料 |
研究概要 |
溶融・凝固をともなう新素材の生成や加工技術の確立を目指して、それぞれの分担課題につき検討を進め、以下のような成果を得た。温度分布と分子配向分布の能動的制御による高分子材料の超高精度射出成形法の研究(黒崎)では、金型内材料に赤外線を照射して材料の凝固を制御することによって、過大な成形圧力を要することなく数ミクロンオーダーの形状を成形品表面に転写できること、極薄成形品の流動限界を飛躍的に延ばすことができることを明らかにした。複雑な断面構造を有する繊維の高速紡糸における伝熱機構と能動的高次構造制御(鞠谷)では、繊維の横断面形態の扁平化が高速紡糸過程に及ぼす効果につき、紡糸線道力学と繊維構造の解析に基づいて検討し、冷却の促進、断面内温度分布の形成に伴い分子配向と配向結晶化も促進されることを明らかにした。電場・磁場を用いた融液の流動・伝熱過程の能動的制御による材料製造プロセスの高度化の研究(前川)では、電場・磁場と流体運動の相互作用をミクロ・マクロの立場から理論的・実験的に解析し、溶液成長法により高品質半導体結晶を育成した。単結晶成長にかかわる伝熱流動特性と磁場の関連(尾添)では、液体金属の自然対流が、容器壁の電気伝導率が大きくなると、その方向によらず外部磁場によって抑制されること、また絶縁壁の場合、方向によっては伝熱促進が生じることを予測した。さらに、実時間ホログラフィ等に有望視されるBSO単結晶のFZ法による成長に成功した。スラブ直送圧延用エッジヒ-ティングの高度化に関する研究(一宮)では、スラブ温度均一化を目的としたモデルにおいて温度変化の解析を行い、鋼片表面中央温度は衝突噴流とふく射により温度上昇が抑制され、側面では多孔性物質からのふく射で温度低下が抑制されることを示した。特に、乱流衝突噴流の乱流エネルギー輸送によって鋼片中央部からの除熱と端部への入熱が期待されること、多孔性材料には内部構造が微細で、表面の吸収性が強く、ある程度厚さのある材料が望ましいことが明らかとなった。繊維強化複合材料の熱物性の最適化(服部)では、熱物性値を所定の値に制御する繊維強化複合材料の熱設計として、繊維および母材の種類、繊維体積率を決定する熱物性評価式を作成した。関連技術として炭素繊維の軸に直交する方向の熱伝導率の測定法を提示した。
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