研究概要 |
(松本)単一気泡運動のDNS,および空間平均化方程式による気泡流の大規模数値解析を行った.後者については数値拡散が小さく高精度・安定の一般化された気泡流計算スキームを完成させ,また気泡を数密度の概念により扱うオイラー法,個々を追跡するラグランジェ法の二手法を確立し,気泡流ジェットの構造を解明した.(辻)DSMC法を用いて粒子運動を計算し,粒子との相互作用を考慮した固気二相流の解析を行った.この結果,粒子間衝突時の非弾性衝突によりクラスターが発達し,鉛直方向厚さが減少すること,小粒径時には横方向の空間スケールが減少すること,粒子間衝突によるエネルギ消散が大きい場合では気流の乱れが増大することが明らかとなった.(芹澤)環状噴霧流における乱流の数理モデルを(1)気相コア部,(2)液膜一気相界面,(3)界面剪断力,(4)液滴の付着・発生に関する4つのモデルの連成により確立した.(3)(4)は液滴のラグランジュ的な数値解析に(1)のモデルを組み込み,実験結果と良好に一致した.また,超音波エコー法と蛍光染料法による動的多次元挙動測定法を開発した.(湯)固気混相乱流噴流の直接数値計算により乱流噴流中の粒子群の不規則クラスターの形成および粒子による気流の大規模渦の変形や微小な渦の発生をシミュレートした.また粒子の衝突を Hard sphere model で表現し噴流流動層中の低粒子濃度領域の気流と粒子の運動を正確に予測することが可能であることを示した.(萩原)不溶性液滴を含む液乱流につき渦,歪,せん断,一様流の4成分に分類し,各成分流れと単一液滴の相互作用の数値シミュレーション法,離散ウェーブレット変換を用いた単一液滴を含む二次元一様乱流液流の直接数値シミュレーション,せん断成分が支配的である二次元クェット乱流場を予測する数値計算から,手法の妥当性・有望性を確かめた.
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