数値計算結果を用いた乱流モデルの検証

1993 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 05240215
• 研究機関: 神戸大学
• 研究代表者: 中山 昭彦 神戸大学, 工学部, 助教授 (30237458)
• キーワード: 乱流モデル / 数値シミュレーション / 格子平均モデル / 非局所拡散モデル

研究概要

本研究は実験結果のみでなく、最近の数値シミュレーションデータを用い乱流モデルを構築、検証にあたることである。対象とした乱流モデルは乱流諸量の輸送のモデリングに注目した。研究は次の4項目に分けられる。各々についての研究実績の概要は下のようである。
1.既存計算結果の受け入れと解析
数値シミュレーションデータとしてはNASA Amesで行われたシミュレーションデータ、特に後方ステップ流れのデータは特に興味があり入手手配をしている。平均量については入手する事ができた。しかし本研究で提案しているモデルの詳細な直接的検証に必要な瞬時結果はこの報告を書いている段階では得られていない。瞬時データは膨大な量でまたバイナリー形式で平均量に比べ扱いは面倒であるが入手は時間の問題である。
2.モデルの定式化
これまでに非局所乱流輸送モデルを基にした輸送モデルおよび間欠性を直接的に取り入れたものを定式化した。これは他の研究者らが推進しているモデルと少し異なり作業も多くなっている。
3.数値シミュレーション結果によるモデルの検証
上のモデルに対し発達中、非対称せん断流、後方ステップなど乱流拡散の重要である流れを数種類選びモデルを試した。拡散項のみのアプリオリ検証および一般的k-ε2方程式モデルに組み入れ検証した。
4.格子平均シミュレーション独自計算の下準備
格子平均シミュレーションについては差分法を用いた計算プログラムを作成しベンチマークとなっている立方体内流れおよび簡単な領域平行平板内流れについての計算を行った。

研究成果

• [文献書誌] Nakayama,A.and G.Fabris: "Transport equations of conditionally averaged Reynolds stresses for computation of turbulent flows with intermittency" J.Wind Engineering and Industrial Aerodynamics. 46. 155-164 (1993)
• [文献書誌] Nakayama,A.,T.Kawatani,S.Sakurai,and H.Yamachi: "Estimation of gas flow through rock fractures" Assessment and Prevention of Failure Phenomena in Rock Engineering. 791-795 (1993)
• [文献書誌] Nakayama,A.and S.Vengadesan: "A non-local turbulent transport model" 9th Symposium on Turbulent Shear Flows. 26-4-1-26-4-6 (1993)
• [文献書誌] Nakayama,A.and N.Alemdaroglu: "Separated turbulent flow downstream of a backward facing step obstructed by a streamlined body" 9th Symposium on Turbulent Shear Flows. P210-1-p210-4 (1993)
• [文献書誌] 中山昭彦,S.Vengadesan: "非局所的乱流モデルを用いたせん断流の計算法" 第25回乱流シンポジウム講演論文集. 136-139 (1993)
• [文献書誌] Nakayama,A.and H.-P.Kreplin: "Characteristics of asymmetric turbulent near wakes" Physics of Fluids. (印刷中). (1994)