研究分担者 |
岡田 直之 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (80037837)
郡司 隆男 大阪大学, 言語文化研究科, 助教授 (10158892)
阿部 純一 北海道大学, 文学部, 教授 (40091409)
鶴丸 弘昭 長崎大学, 工学部, 助教授 (90039678)
松本 裕治 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10211575)
|
研究概要 |
音声と言語に関する情報を相互に関連させた音声対話のモデルを、どのようにして構築するかを目的に研究を進めた。音声対話システムから得られた対話文コーパスを分析するとともに,音韻論的ならびに認知学的な観点から音声情報の構造を研究した.また、対話文理解のためのシソ-ラスを試作し、それを用いた対話文解析アルゴリズムと対話文生成アルゴリズムを設計することを目標に研究を進めた.その主な成果を挙げる. 対話文理解のためのシソ-ラスの構築では、国語辞典の語義文から昨年度試作したシソ-ラスの上位概念の種類と階層の深さについて検討するとともに,試作したシソ-ラスを用いて省略語の補強を行う実験を行った。対話文の解析では、統計情報を利用した新しい曖昧性解消法を提案した.対話文の言語学的研究では、制約に基づく文法理論を用いて,音便変化および語形成・形態論について検討し,日本語音韻理論構築の手がかりを得た.対話文の認知科学的研究では、相互に円滑な対話を行うためには,音声情報とともに,冗長であっても文字情報を付加することで,対話の理解が改善されることを実験的に明らかにした.対話文の生成では、対話理解の構造を調べるために,システム内部にシミュレートした二人の間で会話を行うモデルを試作した.言語情報と音声情報の統合処理では、昨年度提案の音素環境依存性を考慮した異音のモデルを、音声認識システムに組み込み,その有効性を確認した.また音声対話コーパスの分析を行い,音声対話文に含まれるさまざまな言語的特徴を整理した.
|