研究課題/領域番号 |
05241104
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
新美 康永 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (00026030)
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研究分担者 |
牧野 正三 東北大学, 情報科学研究科, 助教授 (00089806)
広瀬 啓吉 東京大学, 工学部, 助教授 (50111472)
中川 聖一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (20115893)
粕谷 英樹 宇都宮大学, 工学部, 教授 (20006240)
板倉 文忠 名古屋大学, 工学部, 教授 (30168299)
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キーワード | 対話音声 / 音響分析 / 雑音抑制 / 音声合成 / 合成音の心理的評価 / 音声認識 / 未知語処理 / 対話モデル |
研究概要 |
本研究では、人間と機械の間の音声対話システムを実現するための基盤技術確立を目的として、対話音声の分析・認識の手法および対話として自然に感じられる音声の合成法とその心理的評価について検討する。本年度は以下の実績をあげた。 1.対話音声の音響的分析-(1)音声対話における情報伝達に重要な働きをもつ非言語情報の処理技術と非言語事象の記述方式について考察し、ツール作成とラベリングを行った(北澤)。(2)人間の聴覚末梢系の機能を参考にして、耐雑音性に優れた音響分析法を提案し理論的に考察するとともに、認識実験を行って有効性を示した(板倉)。 2.対話音声の認識-(1)対話音声認識で問題となる未知語・間投詞の処理方式を開発して、シミュレーションや認識実験で有効性を確認した。また、音声認識精度を高めるための教師なし話者適応化方式を提案し、教師あり方式に遜色のない効果を得た(中川)。(2)頑健で高精度な音声認識を目標に、修正学習ベクトル量子化法に時間的順序関係の制約を加える方法および入力音声に適応化する方式について検討した。また、対話音声のための文法構築の基礎的検討を行った(牧野)。 3.音声対話システムのための音声合成手法と心理的評価-(1)柔軟な韻律制御に耐える高品質音声合成のため、各種方式の得失を比較検討し、ホルマント素片合成方式・鼻音合成方式を開発するとともに、分析・合成ツールを整備した(粕谷)。(2)対話音声の韻律的特徴を調査し、対話音声用の韻律制御規則を作成した。また、発話の意図や感情と韻律的特徴の関係について検討した。今後、規則をさらに精密化する必要がある(広瀬)。 4.音声対話システムの情報理論的モデル化と作成-目的指向の対話において伝達される情報量の定量化法と対話制御の階層化について考察し、基礎実験のための音声対話システムの設計・製作を行った。また、連続音声中の不要語検出方式を開発した(新美、小林)。
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