研究課題/領域番号 |
05242102
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野本 憲一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90110676)
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研究分担者 |
常深 博 大阪大学, 理学部, 助教授 (90116062)
村上 敏夫 宇宙科学研究所, 助教授 (60092350)
小山 勝二 京都大学, 理学部, 教授 (10092206)
釜江 常好 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90011618)
西村 純 神奈川大学, 工学部, 教授 (40013619)
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キーワード | X線 / ガンマ線 / 超新星 / パルサー / 元素の起源 / 銀河団 / あすか |
研究概要 |
当重点領域の研究計画において、主要な柱の1つは、X線天文観測衛星「あすか」によるラインX線の観測、データ解析、及びそれらの理論的モデルへの適用であった。その「あすか」は1993年2月20日に成功裏に打ち上げられ、3月末からは順調に観測を開始した。X線天体に残るシリコンから鉄にいたる重元素の特性X線を、見事なエネルギー分離能でとらえている事から、天文学・宇宙物理学全般に大きなインパクトを与えている。 さらに、当重点領域の研究の推進にあたって好運だったのは、主要な研究対象の一つである超新星が1993年3月末に極めて近くの銀河M81に出現した事である。この超新星1993Jは、これまでに観測例のないタイプの超新星で、6年前に出現した1987Aと同様、ラインX線ガンマ線によるまたとない研究対象となった。特に、「あすか」によって、超新星1993JからのX線が出現後早期に観測された事は、特記すべき成果である。この超新星の理論的研究においても既に世界に先駆けた成果が報告された。 「あすか」による観測が順調に進み、特にラインX線に関する多くの新しいデータが得られつつあることから、この成果を各研究班、公募研究において早期に取り入れていく事が、世界に先駆けた研究成果をあげる上で急務であると考えた。そこで、総括班主催による全体的な研究会を11月11-12日に開催した。 理論的研究の推進においては、超新星1993Jの研究の進展もふまえて、「Nuclear Astrophysics」ワークショップを9月に開催した。そこでは核ガンマ線の重要な源である新星や超新星における元素合成と鉄輝線に関連した銀河の化学進化、それらに関連した核反応率の問題を議論した。また、12月と3月には、「ガンマ線バースト」と「X線γ線パルサー」に関するワークショップをそれぞれの研究班が中心になって総括班の援助によって,開催した。 以上のように研究会を中心にして各研究班の連携をはかると同時に、ニュースレターを年4回程度の頻度で発行した。
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