研究課題/領域番号 |
05242104
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研究機関 | 宇宙科学研究所 |
研究代表者 |
村上 敏夫 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助教授 (60092350)
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研究分担者 |
鶴 剛 京都大学, 理学部, 助手 (10243007)
吉田 篤正 理化学研究所, 研究員 (80240274)
柴崎 徳明 立教大学, 理学部, 助教授 (50206124)
池田 博一 高エネルギー物理研究所, 助教授 (10132680)
牧島 一夫 東京大学, 大学院・理系物理, 教授 (20126163)
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キーワード | ガンマ線バースト / 硬X線検出器 / ラインガンマ線 |
研究概要 |
計画研究A02ではガンマ線バーストの起源の解明を目指して、以下の活動を行なった。今年度で最も注目される活動は、いよいよプロトモデルの製作が始まるASTR O-E衛星に向けて、硬X線検出器用の半導体検出器(PIN型)の3回目の製作を行なったことである。従来、これを外国の一社に対して依頼していたが、幾つかの遅れが重なり、年度内での納品が難しくなったこともあって、国内のメーカでも試作をした。残念ながら、この製品の評価結果は今年度中には行なえなかったので、来年度に行なう。来年度は本重点領域としても最後の年となるので、搭載可能なPIN型検出器の完成が必要である。いよいよ終盤と言えよう。PIN検出器以外の、もう少し長い目で見た検出器の開発もやってみたいところである。 第2点目は、昨年度にひきつづいて国内でガンマ線バーストの研究会を開催した。予想を越えての出席者(約50名以上)があり、この分野の研究の広がりを示している。しかし、多くの理論屋にとって、まだガンマ線バーストの観測の結果は混沌としている。我々観測屋も情報の提供はできても共同研究からガンマ線バーストのモデルを作るには至っていない。このように多くの人が興味を持っていることから考え、このような中規模な研究会をつづけていきたいと考えている。また、ASCA衛星の成果を議論する国際研究集会が組織されたので、ガンマ線バーストの観測結果を公表すると同時に、その研究集会を援助した。 第3の活動は観測屋としての活動である。既存の観測手段を利用してガンマ線バーストの起源を解明する努力は人工衛星“あすか"を使ってつづけられた。2種類知られるガンマ線バーストの内で、ソフトガンマ線バースト源が我々の手で解明されたので、今は古典的なガンマ線バースト源の解明に重心をおいている。ガンマ線バーストの発生方向を幾つか観測し、従来は存在しないと考えられていた銀河をその誤差領域の中に見つけ出し始めている。従来存在しないと言われていただけに、驚きで迎えられるだろう(まだ公表していない)。しかしまだ例数が少ないために、ガンマ線バーストの起源を解明したとは言えない状況である。 今後も搭載PINの最終設計、製作とガンマ線バーストの起源の解明に向けて努力する。
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