研究課題/領域番号 |
05243103
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野村 亨 東京大学, 原子核研究所, 教授 (60087393)
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研究分担者 |
高塚 龍之 岩手大学, 人文社会学部, 教授 (50043427)
土岐 博 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (70163962)
本林 透 立教大学, 理学部, 助教授 (20116114)
加藤 静吾 山形大学, 教養部, 教授 (70013422)
久保野 茂 原子核研究所, 助手 (20126048)
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キーワード | 短寿命核 / 天体核反応 / 中性子過剰核 / 反跳核分離器 / クーロン分解 / 超新星 / 中性子星 / 自転重力崩壊 |
研究概要 |
本研究は、短寿命核の天体核反応率と中性子過剰核(物質)の解明を主目標としている。 前者は、実験的研究を主眼とし、本年度は下記のような研究を行なった。(ア)反跳核分離器の製作:QQEDQQ型のオンライン型反跳核分離器を設計・製作し、一次ビームのエネルギー幅5%、受容角度6度において、質量分解能40を実現した。(イ)RP過程の研究:^<28>Si(^3He,^6He)^<25>Si反応による精密核分光を実施し、^<25>Siのしきい値近傍の準位をはじめて解明した。これにより、不安定核^<24>Alの熱核反応率の評価が定まった。(ウ)太陽ニュートリノの研究:^7Be(p,γ)^8B反応の融合断面積を、^8Bビームのクーロン分解反応を用いて測定する実験結果の解析を進めた結果、相対エネルギー0.6-1MeV領域で直接測定の断面積の小さい値と一致することを示した。測定器の受容角度、角度分解能、バックグラウンド等を改善し、相対エネルギーのより低い値とE2成分の大きさを実験的に求めるを測定を実施し、現在解析中である。 後者は理論的研究を中心とし、下記の研究を展開した。(エ)超新星の自転重力崩壊:2次元(軸対称)、3次元の流体計算を昨年度にひきつづき実行した。3次元計算によれば、適当な角運動量のとき、中心に形成される原始中性子星が自転効果のため偏平になり、ニュートリノが軸方向に大量に放出され、ジェット的爆発が起こることなどを示した。(オ)相対論的多体論効果の研究:平均場理論の研究を進め、そのパラメターを最近の不安定核のデータをできるだけ取り込んで決定した。(カ)誕生時中性子の研究:有効核子間力による有限温度ハートリー・フォック計算を行い、誕生時中性子星においては、冷たい中性子星と比べて半径が25%大きく、冷却、収縮過程で20-25%のスピンアップが生ずるなどの特徴を見い出した。 これらの研究成果は、約35篇の論文ないし解説として公表した。
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