研究分担者 |
南園 忠則 大阪大学, 理学部, 教授 (20028210)
松木 征史 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50037941)
花田 黎門 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (00005935)
小牧 研一郎 東京大学, 教養学部, 教授 (40012447)
片山 一郎 東京大学, 原子核研究所, 教授 (30028237)
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研究概要 |
短寿命核ビームを100MeV/u領域の入射核破砕反応で生成し、生成過程で生ずるスピン偏極の系統的研究を行った。その結果、短寿命核のエネルギースペクトルに対する偏極度の振る舞いは、破砕過程における核子の破砕片中の再散乱効果から説明されることが分かった。この結果をつかって、中性子過剰核の電気的磁気的性質の解明のため、^<14>B,^<15>B,^<17>B,^<17>N,^<21>F,の磁気モーメントと、^<14>B,^<15>Bの電気四重極モーメントを系統的に測定した。 化学物半導体InPにおける動的自己核偏極生成を試み、^<114>In及び^<115>Inについて温度約2Kのとき、それぞれ、14%及び25%の核偏極度を得た。核スピンの偏極度は結晶内部に生成した不安定核^<114>Inからのベータ線の非対称度の測定、安定核^<115>InについてはパルスNMRによる自由誘導減衰の測定により、温度の関数として求めた。 ベータNMR法の開発研究を進め、今まで困難であった電気四重極結合定数実験の感度を飛躍的に向上させることに成功した。これを用いて、LiIo_3,LiNbO_3,Mg,Zn,BN,B等に^7Li,^8Li,^8B,^<12>B等を打ち込んで、四重極結合定数や結晶内四重極場を精度良く決定し、結晶内電子構造の解析を進めた。また、白金金属内の超微細相互作用の精度良い決定や、ニッケルとコバルトの超微細場、双極子場、核緩和時間の測定を行った。 東北大サイクロトロン、京大原子炉、理研AVFサイクロトロン等を用いて、(TD)PAC法により、α-Fe膜中に打ち込んだ^<140>Ce核位置超微細磁場、^<111>Inを打ち込んだFe-Si,Fe-炭素Fe-酸素合金の^<111>In核位置での内部磁場等を測定した。また、注入イオンの分布状態、発生する放射線損傷の量等をシュミレッーションプログラム(TRIM)により系統的に計算した。 レーザー装置を整備し、Caの安定偶同位体のトラップとそのレーザー励起蛍光の観測、内部共鳴型高調波発生器による高強度UV光の発生、光子計数型カメラによるイオン雲の二次元的観測、イオンのレーザー観測、リニアトラップへのCaイオンの捕獲に成功した。 固体中に導入された短寿命核原子核の崩壊による2次放射線を測定することにより、固体中での不純物原子の動的、静的存在位置を調べる手法、特に、マクロな分布を実時間で画像情報として取り出すシステムを開発し、陽電子の消滅γ線対を2つの位置敏感型検出器で検出し、その消滅位置を決める方法で、予備実験では、3.5mmの分解能を得た。
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