研究分担者 |
三木 邦夫 京都大学, 理学部, 教授 (10116105)
月原 富武 徳島大学, 工学部, 教授 (00032277)
田中 信夫 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (50032024)
佐藤 能稚 東京大学, 薬学部, 教授 (30150014)
安岡 則武 姫路工業大学, 理学部, 教授 (40029054)
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研究概要 |
本重点領域研究における本計画班の役割は主として以下の3点に纏めることができる。(i)高品質結晶の作成法の開発と結晶の迅速な評価法の確立,(ii)実験室系および特殊条件下での回折強度データ測定法の開発,(iii)迅速構造解析法の研究とプログラムの開発,である。分担者毎の研究進行状況をまとめる。 芦田:分子置換法の研究で,2個の分子の電子密度の平均の作成に対して,座標変換のパラメーターを精密化することにより,電子密度図が大幅に改良されることを明らかにし,そのプログラムを作成した。またとくに大きい蛋白質分子の電子密度平均の作成のための分子領域の決定を迅速化するプログラムを作成した。 安岡:実験室レベルでの時間分割構造解析法の検討を行った。チトクロームC3とヒドロゲナーゼの複合体結晶の酸化反応を検討した。 佐藤:白色利用型回転対陰極X線発生装置を試作し,二次元検出器と組み合わせて,ラウエ法による回折強度測定システムを構築し,また多波長異状分散法適用のための高精度測定法の検討を行った。 田中:耐熱性の変化した酵素(chimeric 3-isopropylmaleate dehydrogenase)の構造解析を行った。一方温度ジャンプ装置を試作し,性能を検討している。 月原:一本鎖DNA結合蛋白質結晶について,活性型不活性型の変換機構の解明を目標にして結晶作成を試みた。また超巨大分子の結晶化法の研究を行って成果を得た。 三木:膜蛋白質の結晶化法の改良と迅速な評価法の検討を進めている。 松浦:分子置換法による迅速構造解析システムの開発を続けている。本計画班の2年度として初期の目標を十分に達成した。 本班が主体となって,第6回公開シンポジウム「時間分割蛋白質結晶構造解析法の研究」を平成6年10月22日に開催し,11件の研究発表と研究打ち合わせがあり,約80名が参加し,盛会であった。
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