研究分担者 |
川合 知二 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20092546)
堀内 俊寿 京教大学, 工学部, 助手 (10238785)
勝又 春次 いわき明星大学, 理工学部, 教授 (00002105)
原 正彦 理化学研究所, フロンテイア研究部門, チームリーダー (50181003)
八田 一郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (70016070)
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研究概要 |
マクロ分子のトンネル物性解明のための実験と理論的考察を以下のように行った.脂肪族炭化水素のトンネル顕微鏡による観察と,この映像を説明するための分子軌道計算を行い有機・生体マクロ分子のトンネル物性解明を推進した.伝導性高分子あるいはたんぱく質やDNAのような生体高分子の単一分子トンネル物性を測定するための,1分子操作方法を原子間力顕微鏡をもちいて開拓している.高分子の両端をハンドルとして固定し,その間にバイアス電圧をかけて分子の主鎖を通じての電機伝導性を測定する将来計画につなげる実験を開始した. また固液界面を利用してグラファイト基板上に有機・生体分子の2次元配向膜を作成し、官能基単位の分解能でSTM像を得る方法を確立した。この方法によって得られた異なる化学的官能基を持つ分子のSTM像を比較することで、有機分子中の個々の原子または官能基におけるトンネル物性の解明ための基礎データを得ることに成功した。 より巨大なたんぱく質系の機能を保持した薄膜作成方法の開発に関しては,生体系マクロ分子を失活させずに金属/半導体基板に吸着層を形成するバイオインターフェースSAMの秩序形成過程に対するモデルを、STM/AFMと高感度スペクトロスコピーなどの手法を用いて検討し、形成過程中に新しい表面相構造転移が存在すること,化学吸着した分子は密度が高くなるに従い、そのまま化学吸着状態を保ったドメインと、二量体化によって弱い吸着を示すドメインに相分離して行く様子が確認した.。またDNA系の研究では核酸塩基分子およびDNAオリゴマーを超高真空中で種々の固体表面に吸着し、STM観察およびチップによる分子移動を行った。Pd(110)表面では、分子軌道を反映した形の孤立吸着分子像が得られた。
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