研究課題/領域番号 |
05245107
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
西川 治 金沢工業大学, 工学部, 教授 (10108235)
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研究分担者 |
森川 浩志 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (90024314)
八百 隆文 広島大学, 工学部, 教授 (60230182)
大島 忠平 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10212333)
山本 雅彦 大阪大学, 工学部, 教授 (30029160)
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キーワード | 電界放射顕微鏡(FEM) / 電界イオン顕微鏡(FIM) / アトムプローブ(A-P) / 走査型トンネル顕微鏡(STM) / イメイジングプレイト(IP) / 原子間力顕微鏡(AFM) / 原子移動 / トンネル確率 |
研究概要 |
A02班の研究目的は、電界放射顕微鏡(FEM)、電界イオン顕微鏡(FIM)、アトムプローブ(A-P)を用いて、探針先端の原子の配列・電子状態を解明すると共に、走査型トンネル顕微鏡(STM)による表面原子の移動のメカニズムを明らかにする事にある。この目的に沿って研究分担者は研究を進めたが、初年度でもあり、当初の目的を達成していない分担者もある。以下に各研究分担者の研究成果を纏めた。 【.encircled1.】西川 治(金沢工大)は、FEM像とFIM像を従来の写真フィルムよりは格段と幅広いダイナミックレンジで記録するために、イメイジングプレイト(IP)を用いる事を提案し、IPを導入できるFIMを作製した。ダイナミックンジの拡大により、FEMの場合は針先の微細領域からの、FIMではガス原子から針先の原子へのトンネル特性を調べられる事になる。現時点では、IP用のFIMは稼働状態に入り、FEM像の撮影に成功するに至っている。 【.encircled2.】山本 雅彦(阪大)は、STMと原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、Si(111)-(7×7)面上の銅の緩衝層の上に分子線エピタキシャル成長したPt膜の形態を観察した。また、フィルムに記録されたFIM像の濃淡を光電子管で読取り、映し出された原子直上でイオン化された映像ガス原子数を求め、その数からガス原子と表面原子との間のトンネル確率を求める研究も進めている。 【.encircled3.】大島 忠平(早大)は、電界放射電子のエネルギーを1meVの高分解能で分析できる電子分光装置の開発を進めており、初期の立ち上げが終了している。装置は期待通りの分解能を示し、最終的には、0.8meVの高分解能が期待されている。 【.encircled4.】八百 隆文(広大)は、原子移動の研究を分担している。そこで、八百はSi(111)7×7面上にAlCl_3分子を吸着させ、STMで観察し、分子が表面上の特定位置に解離吸着する事を見出だしている。現在、探針先端で表面上の任意の原子を脱離させる実験を進めている。 【.encircled5.】森川 浩志(名工大)は、金属表面上に吸着したフタロシアニン分子の安定性を調べると共に、分子を通してのトンネル特性を明らかにするためにFEM内に高分解能エネルギー分析器を組み込む準備を進めている。
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