研究分担者 |
吉澤 善男 東京工業大学, 原子炉・工学研究所, 教授 (00016627)
森 康彦 慶応大学, 理工学部, 教授 (90051888)
矢部 孝 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60016665)
庄司 正弘 東京大学, 工学部, 教授 (00011130)
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研究概要 |
蒸気爆発現象は,(a)初期の大きな非平衡が局在した熱力学的状態,(b)液液接触と微粒化による超高速・高熱流束伝熱と相変化を伴う緩和過程,(c)圧力波の発生と流動,(d)圧力波(衝撃波)の非平衡界面への熱・流体力学的作用に整理される.本研究ではこれらを, I)非平衡状態の固・液・気の二相界面における急速緩和現象に伴う熱流体と界面挙動 II)衝撃波(圧力波)の非平衡界面における熱流体力学作用 の2つの基本現象に着目し,研究を5つの課題に分担して遂行した.すなはち, (1)「圧力波下の蒸気膜界面の熱輸送特性との界面挙動」(井上):圧力波下の蒸気膜の消滅挙動と伝熱特性の体系的整理と解析モデルの完成,および,化学反応を伴う蒸気爆発の機構の考察を行った. (2)「超高速加熱下の伝熱現象」(庄司):超高速加熱時の温度揺らぎと衝撃波の発生の条件と機構を解明するため,強力レーザーで水中の液体金属面を超高速加熱して衝撃波を発生させ,このときの界面挙動と微粒化を調べた. (3)「超高密度エネルギー束下の界面現象のシミュレーション」(矢部):非定常多次元解析コードが衝撃波下の諸現象に適用しその有効性を確かめ、分子動力学と流体モデルの中間領域を記述できる計算コードを開発した. (4)「高加過熱液一液系の安定性と急速緩和過程」(森)フルオルカーボンの液滴を覆うクラスレート水和物の殻の存在が過熱度・圧力依存性へどのように影響するかを統一的に調べ,この解析モデルの構築を行った. (5)「衝撃波の液液・気液界面への流体力学的作用」(吉澤):種々の衝撃波に対する気液自由界面および気泡の界面の不安定挙動を詳細に観察し,マイクロジェットの形成機構を調べた.
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