研究課題/領域番号 |
05246106
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤井 直之 名古屋大学, 理学部, 教授 (60011631)
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研究分担者 |
山元 孝広 工業技術院, 地質調査所, 主任研究員
佐藤 博明 広島大学, 総合科学部, 助教授 (60019495)
近藤 駿介 東京大学, 工学部, 教授 (90011098)
高山 和喜 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40006193)
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キーワード | 大規模爆発へのスケーリング則 / 爆風の伝播計測系 / 爆発破砕片の粒形解析 / マグマ水蒸気爆発 / 火山性爆発 / 二次爆発噴出物 / 苛酷事故の発生環境 |
研究概要 |
本研究班では、火山環境におけるマグマ水蒸気爆発と原子炉環境における蒸気爆発を対比することによって、その発生環境についての巨視的な境界条件を追及しようという狙いである。本計画の初年度で得られた成果をもとに、過去に生じた事例や実験室スケールから大規模爆発へのスケーリング則を確立するため、以下のような研究が進行している。 (1)火山噴火に伴う爆風の伝播計測系の確立:今年度は阿蘇中岳について衝撃圧の計測系を展開した。また、三次元非構造格子を用いる数値シミュレーション法の開発を目指す。 (2)火山性爆発の記録収集・爆発破砕片の粒形解析:歴史時代を含めた過去のマグマ-水蒸気爆発を検討する一環として、噴火のクレーター形成エネルギーと噴出物の熱エネルギー(ほぼ噴出物体積に比例する)との比を見積り、マグマ水蒸気爆発とマグマ噴火では1桁以上の違いが認められた。 (3)火山性爆発の比較発生環境解析:過去に発生した代表的な火山性蒸気爆発の産物から、爆発発生の巨視的条件とその規模を明らかにしつつある。<三噴火:(a)桜島火山の安永噴火(1779年)で海中に流入した溶岩流の二次爆発噴出物、(b)伊豆大島火山のカルデラ形成期噴出物(S2部層;5世紀)、(c)磐梯火山の1888年噴火の水蒸気爆発噴出物> (4)原子炉苛酷事故の発生環境解析:与えられた初期条件、境界条件のもとで起きる蒸気爆発での機械的エネルギー放出の確率を解析すること、またそれによる構造物の応答を明確にすることが重要である。このことを踏まえて、(a)与えられた事故条件下での溶融炉心の挙動、(b)実機における様々な初期条件や境界条件の感度解析、(c)トリガー、エスカレーションの観点から発生条件の解明、(d)ミクロ相互作用のような多次元伝播モデルにおける構成方程式の探索、等を行った。
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