研究課題/領域番号 |
05248203
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
片山 芳文 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (20014144)
|
研究分担者 |
森田 喜一郎 社団相和会, 中村病院, 医師 (20140642)
辰巳 仁史 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (20171720)
平井 恵二 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (70156628)
|
キーワード | 一次求心路 / 後根神経節 / 感覚ニューロン / 神経活性物質 / 節状神経節 / C-AMP / 成長錐 / 神経細胞培養 |
研究概要 |
1.ウシ蛙後根神経節細胞はテトロドトキシンで消失する活動電位を持つAs細胞と、消失しない活動電位を持つAr細胞とC細胞に分類される。それぞれの細胞の神経線維の伝導速度はAs細胞で16-50m/s、Ar細胞で4-25m/s、C細胞で0.2-0.8m/sであった。後根神経節細胞体の電気生理学的特性と化学受容性の関係を整理した。a)Ar細胞とC細胞の半数以上がアセチルコリンに感受性を示したがAs細胞は反応しなかった。b)セロトニンにはC細胞が良く反応し、80%で過分極、50%で経過の速い脱分極、10%で遅い脱分極が見られた。Ar細胞では過分極は起こらず、約半数で小さな遅い脱分極、8%で経過の速い脱分極が見られた。c)GABAにはどの細胞型も反応したが、As細胞が最も顕著な反応を示した。d)P物質とATPに対してはAs細胞とC細胞だけが感受性を示し、その結果遅い脱分極を発生した。 2.家兎の節状神経節C細胞において、膜透過性のc-AMPアナログは低濃度(10-100nM)で過分極を起こし後過分極を増強したが、高濃度(10μM以上)では脱分極を起こし後過分極を抑制した。ForskolinやCaイオノフォアなどを用いて検討した結果、c-AMPは細胞内のカルシウム緩衝機構に作用しカルシウム依存性のカリウム・チャネルの透過性をモジュレートするものと思われる。 3.一次求心路形成の素過程を研究するために、E-20のラットの後根神経節を分離・培養した。培養約1週間後の後根神経節細胞の成長錐に接して別途単離した海馬細胞を置いた。培養した後根神経節細胞の細胞体に接触させたガラス電極を通してパルス電流を与えて電気的に刺激すると、海馬細胞から内向き電流がホールセルパッチクランプ法で記録された。内向き電流は膜コンダクタンスの増大を伴い、+10mV付近に逆転電位を持つことが分かった。以上より、培養したラット後根神経節細胞の活動に伴って成長錐から何等かの生理活性物質おそらく神経伝達物質が放出されたと考えることが出来る。
|