研究課題/領域番号 |
05251201
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
近藤 喜代太郎 北海道大学, 医学部, 教授 (80018366)
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研究分担者 |
田代 邦雄 北海道大学, 医学部・附属病院, 教授 (90002154)
志渡 晃一 北海道大学, 医学部, 助手 (20206098)
新野 峰久 北海道大学, 医学部, 助手 (80180561)
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キーワード | パーキンソン病 / 老年痴呆 / ライフスタイル / ケース・コントロール法 / 素因遺伝子 / 環境・遺伝交互作用 |
研究概要 |
[目 的]神経変性疾患、とくにパーキンソン病に罹患しやすいライフスタイルと、発病と相関する遺伝的変異とが共存したときの複合危険率を求め、発病に対するライフスタイル・遺伝交互作用を確明する。 [材料および方法]私共はケース・コントロール法で両疾患に罹患しやすいライフスタイルを分析し、パーキンソン病では1)40才までの蛋白質、果物、乳製品などの摂取不足、2)嫌煙・嫌酒、3)若年期からの体動不足、4)精神社会的不活発、などを検出した。一方、近年、5)Cytochrome P450(Hha I多型)が本症の危険性を増すことが示され、また、6)モノアミン酸化酵素B(Hal III)、7)ドパミンD2受容体(Taq I)、8)ミトコンドリア遺伝子群などとの相関も可能性がある。また老年痴呆では1)精神社会的不活発、2)体動不活発、3)頭部外傷、4)歯牙喪失などを検出した。一方、ApoE4遺伝子と本症との相関が明らかになった。そこで、本研究では、ライフスタイルを調査した患者についてさらに遺伝子を分析し、両疾患ごとにそれらの複合効果を計算する。 [結果および考察]パーキンソン病では90名、老年痴呆では60名についてライフスタイルの調査を終えている。老年期の神経変性疾患は家族性発生の統計的分析から多因子遺伝とされている。しかし近年、電算機の応用で危険要因の分析法が進歩し、また分子遺伝学の進歩によって疾患の遺伝マーカーが数多く検出されている。本研究はこのような技術的進歩を利用して、具体的に捕捉された因子の交互作用を明らかにし、多因子性機序の解明に役立てる。
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