今年度は、RNAの2次構造推定ルーチンを中心に作成した。なお、このアルゴリズムは、秋山等のHopfield型ニューラルネットワークを利用した手法によっているが、細かい点で彼らの方法を必ずしも参照していない部分もある。プログラムの作成に当たって、大量の中間データの処理に本科研費補助金により購入したハードディスクを利用した。本プログラムでは、例えば下記40塩基のテストデータを入力すれば、2種類のペア構造列が選択されて戻ってくる。 入力データファイルの内容 AUGCGCGCUAUACAGCUAGCUGCUAGCUGUGCAUCGUAC この他の計算結果として、秋山等の報告している3例の結果が再現されることを確かめている。これらの出力様式は現在のところ、エンドユーザーにとって必ずしも理解し易いようにはできていないため、次年度の研究計画により日本語GUI環境下に移植する予定である。この他、蛋白質等の高次構造予測に用いられるバックプロパゲーション型ニューラルネットワークに、ロバスト推定法を応用し、従来ニューラルネットワークが弱いとされてきた外挿的予測性の向上に関する研究を行った。その結果、ロバスト推定法の応用により、クロスヴァリデーション法により得られる予測性が向上することを見いだした。
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