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1993 年度 実績報告書

大腸菌tRNA遺伝子の重複機構

研究課題

研究課題/領域番号 05255202
研究機関京都大学

研究代表者

井口 八郎  京都大学, 理学部, 助教授 (20028195)

キーワード大腸菌 / イソロイシンtRNA / サプレッサー活性 / tRNA遺伝子 / Cscl密度勾配遠心 / doublet tRNA遺伝子 / PCR法 / 遺伝子重複
研究概要

大腸菌のイソロイシン(AUA)tRNA遺伝子はゲノム上に一個しか存在しないが,このtRNA遺伝子をアンバーサプレッサーに換えてラムダファージにクローン化した。このファージ粒子の密度は野生型ラムダファージのそれに近く,サプレッサー活性は弱いのでX-Galプレートで薄いブループラークを作る。このファージの増殖中にtRNA遺伝子の重複が生じたとすると,ファージ粒子密度がわずかに増加すると共に,サプレッサー活性は倍になりXGalプレートで濃いブループラークを作ることが期待できる。実際にtRNA遺伝子1個分の重複が検出できることを示す対照実験として,グルタミンtRNA遺伝子のsingletとdoubletの二種類のファージを混合し(10^9:10^4)Cscl密度勾配遠心にかけ,わずかに重いフラクションの再遠心をくり返してtRNA遺伝子1個分の重複(doublet)の検出を試みた。この場合,doublet tRNA遺伝子にはオーカーマーカーをつけ,ファージにもプラークタイプや宿主域マーカーをつけて,singletをもつものと区別できるように工夫しておいた。最適の遠心条件を調べたのち,4回の遠心をくり返すことで,対照のdoublet tRNA遺伝子をもつファージをプラークの色の違いで見い出すことに成功した。イソロイシン(AUA)tRNA遺伝子をもつファージ10^9粒子を同時に遠心し,サプレッサー活性が強いと判定したプラーク12個を分離した。次にこれらのファージがもつtRNA遺伝子がdoubletであるかどうかをPCR法によって調べた。その結果,12個ともdoublet遺伝子に対応するようなDNAフラグメントの増幅は見られなかった。よって通常のファージ調製液にはdoublet tRNA遺伝子をもつものは10^<-5>より低い頻度しか存在しなく,tRNA遺伝子が特に重複を起こしやすいことは見い出せなかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Komine et al.: "A tRNA-like structure found in 10Sa small RNA from Escherichia Coli" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. (発表予定).

  • [文献書誌] H.Yang et al.: "Behairoral,responses to light of an E,coli mutant accumulating protoporphylin IX" J.Bacteriol. (発表予定).

  • [文献書誌] K.Miyamoto et al.: "Nucleotide sequences of cDNA Clones encoding ferrochelatase from barley and cucumber" Plant Physiol.(印刷中).

  • [文献書誌] M.Kitabatake & H.Inokuchi: "A sinplified method for generating step-wise delctions using PCR" Gene. 123. 59-61 (1993)

  • [文献書誌] M.J.Rogers et al: "The recognition of E.coli glutamine tRNA by glutaminyl-tRNA synthetase" Nucl.Acids Res.Symp.Series. 29. 211-214 (1993)

  • [文献書誌] K.Nishimura et al.: "Cloning and sequencing of the hem E gene encoding uroporphyrinogen III decarbexy lase of E,coli K12" Gene. 133. 109-113 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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