研究課題/領域番号 |
05258212
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
市川 厚 京都大学, 薬学部, 教授 (10025695)
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研究分担者 |
杉本 幸彦 京都大学, 薬学部, 助手 (80243038)
福井 哲也 京都大学, 薬学部, 助教授 (90111971)
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キーワード | グリチルレチン / グルココルチコイド / 細胞内カルシウム |
研究概要 |
[I]グリチルレチン酸(GA)の抗炎症・抗アレルギー作用の解析:GAは11β-hydroxysteroid dehydrogenase(HSD)に結合し、酵素を非可逆的に阻害し、グルココルチコイド作用を増大することを見いだした。しかし、抗炎症作用がGAより強いグリチルレチン酸誘導体deoxyglycyrrhetol dihemiphtalate(DG-DP)の酵素阻害作用は弱かった。このことは、DG-DPが別の機構で働いている可能性を示唆する。その機構として、細胞内カルシウム([Ca^<2+>]i)の挙動に注目した。Fura-2を負荷した癌化肥満細胞にDG-DPを作用すると、濃度依存性に[Ca^<2+>]iが増大した。この増大Ca^<2+>は大部分細胞外Ca^<2+>プールからの流入によるが、一部は生成したIP_3による細胞内Ca^<2+>プールからの放出による。前者は、電位依存性カルシウムチャンネル、Na^+-Ca^<2+>交換チャンネルではなく、La^<3+>とカルモジュリン阻害剤で阻害される(Ca^<2+>-ATPase?)チャンネルによることがわかった。さらに、予めDG-DP処理した細胞は、トロンビンやATPなどの受容体-IP_3仲介による[Ca^<2+>]iの増大変化を強く阻害した。この阻害はGA誘導体に特異的であった。 [II]甘草(glycyrrhizia glabra)根茎のカルス培養の研究:現在検討中 [III]高機能型GAの分子設計に関する研究:上記[I]のHSD阻害と[Ca^<2+>]i増大阻止活性を指標に高機能型GAの分子設計を行い、3位OHと30位COOHの誘導により両者の活性を分離できることを明らかにした。
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