研究概要 |
試験巻内で合成したNMDA受容体ε_2及びζ_1サブユニットmRNAをアフリカツメガエル卵母細胞に注入し、NMDA受容体チャンネルを発現させた。パッチクランプ法で、NMDA受容体チャンネルの単一チャンネルを観察したところ、単一チャンネルコンダクタンスはほぼ均一で、マグネシウムイオンを含まぬリンガー液中で、44pSであった。サブコンダクタンスは希に観察された。また単一チャンネルの開閉時間の解析から、-60mVにおけるマグネシウムイオンの50%ブロック濃度は23μMと計算された。 また亜鉛イオンは、主に非電位依存性にブロックされ、外向き電流によりブロックが外されることはなかった。 今回の結果より、ε_2及びζ_1サブユニットよりなるNMDA受容体の単一チャンネルコンダクタンスは比較的均一であり、生体で観察される複数のコンダクタンスレベルにはあまり寄与しない事が示唆された。また今回のマグネシウムイオン,亜鉛イオンによるブロックの解析は、今後の基礎資料として重要である。
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