1.HIV-1転写調節領域に特異的に結合するURE結合タンパクの精製 我々は既にHIV-LTRエンハンサー領域上流(-157--122)にHIVエンハンサーの活性調節領域が存在することを見いだし報告している。この領域を我々はURE(Up regulation element)と名付けている。本研究ではURE結合蛋白の精製を試みた。方法は以下に概説するごとくである。ヒトT細胞株MOLT-4核抽出液をDEAEセルロース、フォスフォセルロース、UREアフィニテイーのカラムクロマトブラフィーを用いて54KD蛋白のURE結合蛋白の精製に成功した。精製効率は比活性で12、000倍の上昇が見られた。現在精製蛋白の機能解析、遺伝子クローニングが進行中である。 2.TNFとFas抗原の機能の解明 我々は今回TNFによる細胞死は可逆的であるがFas抗原による細胞死は不可逆的であることを見いだした。またTNFTはその活性がPKC阻害剤により増強するがFas抗原はPKCとは無関係であることも明かとなった。 3.HIV感染者PBMCにおけるFas抗原のup-regulation 我々はHIV感染者PBMCのFas抗原の発現を解析し病態の進行に伴いFas抗原が有意に増加していることを今回見いだした。さらにこの発現されたFas抗原が機能的でありHIV感染PBMCがアポトーシスにより死ぬことを見いだした。
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