研究概要 |
昨年度の報告において本切断反応はピリミジン-A間を特異的に切断することを報告した。今回、我々はさらにRNA13merの塩基置換を行い、切断反応を検討した。また、ヘアピン型構造のループ部分の大きさが切断反応に影響を与えているかについても検討した。 はじめに、切断部位がピリミジン-A間で起きることから、Aが本切断反応に重要であることがわかる。そこで、このAのどの部位が切断反応に重要であるか調べるために、AをG,イノシン(I),2-アミノプリン(2AP)のそれぞれに置換し切断反応を検討した。その結果、37℃,2時間の反応でU-G,U-I,U-2AP間共に切断は起こらなかった。このことから、本切断反応にはAの6位のアミノ基が重要であることが明らかになった。 つぎに、ピリミジンについて塩基置換を行った。今回は、Uをプソイドウリジン(PSI)に置換したRNA13merの切断反応を検討した。その結果、37℃、2時間の反応でPSI-A間の切断は見られなかった。 本切断反応に用いているRNA13merのヘアピン型構造のループ部分は5塩基からなっている。このループ部分の大きさが切断反応の活性に影響を与えているのかをみるために、新しくデザインしたループが3塩基-8塩基のそれぞれの大きさを持ったRNAを合成し切断反応を検討した。反応の結果、どのループの大きさでも切断が起きた。しかし、それぞれの切断効率を調べたところ、我々がはじめから用いているRNA13merと同様にループが5塩基からなるL5RNAが一番効率良く切断することが明らかにした。
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