研究課題/領域番号 |
05267102
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
外山 敬介 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (90090505)
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研究分担者 |
丹治 順 東北大学, 医学部, 教授 (10001885)
塚田 稔 玉川大学, 工学部, 教授 (80074392)
酒田 英夫 日本大学, 医学部, 教授 (10073066)
津本 忠治 大阪大学, 医学部, 教授 (50028619)
甘利 俊一 東京大学, 工学部, 教授 (80010726)
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キーワード | 大脳皮質 / 海馬 / 小脳 / 運動制御 / 認知 / 記憶 / コバリアンス学習 / スパース表現 |
研究概要 |
近年、脳の自然科学的な研究手法が急速に進歩し、脳研究は認知、記憶、思考、意志、行動などの高次機能に迫ろうとしている。脳の実験的研究では、遺伝と学習の相互作用の分子生物学的理解が進み、一方、大脳皮質、海馬、小脳などの認知、記憶、運動制御の情報処理の基本様式が明らかにされた。また、脳の理論的研究においても、認知、記憶、言語、思考、意志決定などの情報論的構造が明らかにされつつあり、これらの機能の獲得機構が神経回路の学習理論として研究されている。本重点研究は、1)コバリアンス学習規則、2)認知・記憶情報のスパース表現、3)認知系の順逆変換、4)運動系の順逆変換という脳の情報処理に関する4つの基本仮説の証明を目指して、4つ計画研究班を組織し、理論と実験の共同研究を行っている。平成6年度の成果としては、第1班では短期記憶作業課題を実行中のラット海馬で分のオーダで神経結合が形成されあるいは消失することが示された。第2班においては不応期をもつ神経回路網にはカオスが生じ、これを利用すると極めて効果的に記憶の読みだしができることを示した。第3班では視覚認知においてトップダウンの情報処理が用いられていること示す所見を得た。第4班では眼球運動制御における小脳の役割について理論と実験の共同研究を実施し、運動制御の逆変換仮説を支持する知見を得た。 これらの共同研究を円滑に推進しあるいはその成果を広報するために、夏のワークショップ(平成6年8月24日、蓼科)、サテライトシンポジューム(平成6年8月23日、蓼科)、蔵王シンポジューム(平成7年1月9-11日、蔵王)を開催し、またこれらの行事の計画運営のために総括班会議を3回開催した(第4回:平成6年5月20日、京都、第5回:平成6年8月25日、蓼科、第6回:平成6年12月5日、東京)。
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