研究課題/領域番号 |
05267104
|
研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
塚田 稔 玉川大学, 工学部, 教授 (80074392)
|
研究分担者 |
合原 一幸 東京大学, 工学部, 助教授 (40167218)
平野 丈夫 京都大学, 医学部, 助教授 (50181178)
水野 昇 京都大学, 医学部, 教授 (10025596)
外山 敬介 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (90090505)
津本 忠治 大阪大学, 医学部, 教授 (50028619)
|
キーワード | シナプスの長期増強(LTP) / スナプスの長期抑圧(LTD) / 細胞内Ca^<2+>濃度 / 時間パターン依存性LTP / 視覚野回路形成 / 海馬神経回路のダイナミクス / 視覚ニューラルネット / 神経回路の非線形ダイナミクス |
研究概要 |
1.分子レベルの研究 津本らは、ラットの皮質の視覚野のシナプスの長期増強(LTP)の誘発メカニズムについて、シナプス後膜の脱分極の必要性とその閾値の存在を明らかにした。また、平野らは培養された小脳顆粒細胞-プルキンエ細胞間のシナプスを用いて、シナプスの長期抑圧(LTD)の発現機序について、脱分極と細胞内Caイオン濃度上昇がLTD発現に不可欠であることを明らかにした。 2.細胞レベルでの研究 津本らは、細胞内Ca^<2+>濃度の増減によってLTPにもLTDにもなることを示し、細胞レベルでのコバリアンス学習則が成立している可能性を示唆した。塚田らは、海馬ニューロンにおいて、空間的同時性(ヘブの学習則)に加えてLTPの時間パターン依存性を明らかにし、篠本らは、モデル構築することによってその結果を裏付けた。飯島らは、オプティカルレコーディングを用いて海馬神経回路のダイナミクスを解析した。 3.神経回路網レベルの研究 外山らは、視覚神経系(外側膝状体-視覚野)の回路形成において、層特異性の神経回路の形成機序を明らかにするとともに、オプティカルレコーディングを用いて視覚野での興奮伝播の時空間的流れを明らかにした。また臼井らは、視覚野の色恒常性の神経回路モデルを構築し、モデルと生理機能の説明をした。水野らは、体性感覚野-運動野の神経回路の構造と、抑制性可塑シナプスの働きを明らかにした。合原らは、神経回路の非線形ダイナミクスに注目し、動的連想記憶のモデルを構築し、基礎的検討を行った。生理的研究との照合については今後の課題である。
|