本年度の研究実績を具体的に述べる。20×20=400個のピクセルパターンで表されるような画像情報をリカレント型の神経回路網の興奮パターンの記憶(本年度はランダムパターン記憶)として取扱い、連想記憶、ノイズ除去、分類、などの一般的機能特性をシミュレーションにより調べた。更にこの系のシステムパラメータを変化させることによりカオス的ダイナミックスを導入し、それを用いて「不良設定問題としての記憶のサーチ、学習の導入によるサーチの高効率化」などの「複雑な機能の単純なルールによる実現」をシミュレーションによって行い、結果を論文誌、Neural Networksに発表した。また、システム・制御・情報学会より依頼を受けて「カオスと制御との関わり」を考察して学会誌の「カオス特集号」に発表した。更に、名古屋において開催された「国際神経回路学会」において研究報告を投稿し、受理されて発表を行った。 後者については、実験家との共同研究をまとめ、論文誌、Applied Physics Lettersに発表した。またその理論的取り扱いを論文誌、Journal of Applied Physicsに投稿し、受理されて4月号に掲載予定である。
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