研究課題/領域番号 |
05268101
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
永田 和宏 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (50127114)
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研究分担者 |
瀬野 悍二 国立遺伝学研究所, 変異遺伝研究部門, 教授 (30076989)
堀内 賢介 国立遺伝学研究所, 微生物遺伝研究部門, 教授 (70219210)
河野 憲二 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 教授 (50142005)
三木 邦夫 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (10116105)
桑島 邦博 東京大学, 大学院・理学系研究科物理学教室, 助教授 (70091444)
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キーワード | ストレス蛋白質 / 熱ショック蛋白質 / 分子シャペロン / モルテングロビュール / HSP47 / HSP70 / 核輸送 |
研究概要 |
1。HSP47はコラーゲンに特異性をもつストレス蛋白質であるが、この機能を調べるためHSP47とプロコラーゲンの細胞内における相互作用を解析した。HSP47はプロコラーゲンが翻訳されて小胞体に挿入された直後からプロコラーゲンに結合し、この複合体がシスゴルジまで輸送されるとそこで解離することが明らかになった。 2。動物細胞においてはHSP70が、核蛋白質の核への輸送に関係しているというデータが得られているが、酵母においてはHSP70が核輸送にどのように関わるかを、HSP70欠損株(SSA1,SSA2,SSA4遺伝子を破壊したもの)を用いて調べた。HSP70遺伝子を破壊しても、外来性の蛋白質の核への輸送には影響がなかった。ところが、SSA1を破壊すると、小胞体ストレス蛋白質のBiPが誘導されてくることがわかった。 3。平衡状態においても安定なモルテングロビュール(MG)状態を取り得るα-ラクトアルブミン(α-LA)を用いて、MG蛋白質とGroELとの相互作用を調べたところ、MG状態α-LAはGroELと結合せず、MG状態よりさらに構造の崩れた環元α-LAはGroELとは結合することができた。これはこれまで信じられているMG蛋白質とシャペロンとの相互作用に疑問を投げかけるものである。4。高度好熱菌Thermus thermophilusのシャペロニン(cpn60)およびコラーゲン特異的ストレス蛋白質HSP47のX線構造解析を目指すため、それらの結晶化条件の検討を行った。特にcpn60については、沈殿剤としてエチレングリコールを用いることにより平板状および六角柱状の結晶が得られ、X線回折実験を行ったところ、平板状結晶は10A、六角柱状結晶は7Aの分解能の反射が観察された。さらに分解能の向上を目指していく。
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