研究課題/領域番号 |
05269102
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立遺伝学研究所 (1994-1995) 京都大学 (1993) |
研究代表者 |
桂 勲 国立遺伝学研究所, 遺伝情報研究センター, 教授 (00107690)
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研究分担者 |
増井 徹 国立衛生試験所, 変異研究部第3室, 主任研究官 (50150082)
杉本 勝則 名古屋大学, 理学部, 助手 (90192616)
中別府 雄作 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (30180350)
稲垣 昌樹 東京都老人総合研究所, 神経生理部門, 部門長 (30183007)
西田 栄介 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (60143369)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 細胞周期 / 細胞分化 / 細胞増殖 / サイクリン / cdk / リン酸化 / タンパク質キナーゼ / 制御機構 |
研究概要 |
細胞周期の観点から、細胞増殖・分化の制御機構を研究し、以下のような結果を得た。(1)線虫C.elegansの孵化と神経芽細胞移動を制御するhch-1遺伝子が、細胞分化にかかわる哺乳類のBMP-1やDrosopholaのTOLLOIDと似た蛋白質を作り、胚発生中期に発現する(桂)。(2)Xenopus卵成熟の開始にMAPKK/MAPKカスケードが必要かつ十分である。MAPK,MosならびにMPFとの間にポジティブフィードバックループの存在する。中胚葉誘導にMAPKカスケードが関与する(西田)。(3)ビメンチン及びグリア酸性蛋白質の9種のリン酸化部位のリン酸化状態を識別して認識するモノクローナル抗体を作製・使用し、細胞分裂期にcdc2キナーゼ、Cキナーゼ、CFキナーゼ(新規キナーゼ)が細胞骨格キナーゼとして作動することを示した(稲垣)。(4)休止期の細胞にΔFosBを発現させるとサイクリンEとCDK2の発現がmRNAレベルで誘導され細胞複製が始まるが、この現象は転写の増大ではなくmRNAの分解速度の低下による(中別府)。(5)Replication factor C(RFC)サブユニットの遺伝子RFC5の温度感受性変異は、SPKl/Rad53キナーゼの大量発現によって抑圧されるので、RFCはS期チェックポイント制御に関与する(杉本)。(6)ヒト上皮細胞の増殖停止に特異的なepi-l遺伝子はショウジョウバエの癌抑制遺伝子warts/large tumor suppressor遺伝子とホモロジーをもつ。eti-lを細胞で発現させると増殖抑制活性を示す(増井)。(7)ヒトのTGF-β受容体の新しいサブタイプ、14-3-3蛋白質、およびhcpl(新規の遺伝子、酵母にホモログあり)のcDNAは、酵母のイノシトール合成酵素遺伝子の転写を高めることにより酵母細胞内で機能する(仁川)。このように、多様な材料と手法を用いた研究を総合することにより、細胞増殖・分化の基本的なスイッチ機構と生物種による特殊性が明らかになった。
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