研究課題/領域番号 |
05269218
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
川向 誠 島根大学, 農学部, 助教授 (70186138)
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研究分担者 |
中川 強 島根大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (30202211)
松田 英幸 島根大学, 農学部, 教授 (50032595)
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キーワード | Sipombe / CAP / RAS / cAMP / signal transduction |
研究概要 |
分裂酵母の有性生殖過程におけるcAMPの役割について調べてきた中で、cAMPの量的な変動の主役であるアデニル酸シクラーゼの調節機構を知るためにいくつかのアプローチを取ってきた。その結果次のことが判明した。1)分裂酵母cap(adenylyl cyclase binding protein)変異株にヒトcDNAライブラリーを導入することによる単離したcapホモログ遺伝子の機能解析を行った。ヒトのcapホモログ遺伝子には2種類ありそれぞれ発現パターンが違っていた。ヒトのホモログ遺伝子を出芽酵母内で発現させ、CAPタンパク質のN末の機能ドメインとC末の機能ドメインの保存性の違いを見いだした。C末がアクチン結合タンパク質の機能を持っていることを示した。2)アデニル酸シクラーゼの調節機構を知るもう1つアプローチとしてcyr1遺伝子を高発現した株での性質を抑制するハイコピーサプレッサーを複数単離した。その一部の遺伝子の解析を進めたところ、その内の一つはRNAヘリカーゼをコードしていた。このRNAヘリカーゼは細胞の増殖に必須であるため有性生殖と細胞増殖共に重要であると考えられる。さらにmoc1と命名した遺伝子を解析した。moc1の決定した塩基配列は既知のものとの相同性はなかったが、遺伝子破壊した分裂酵母は有性生殖不能になり、高温感受性となった。3)栄養源とは無関係に高胞子を形成する変異株を野生株より単離し性質の解析を行った。複数の変異株の内、ras欠質株においても胞子を形成する変異株を単離する事に成功した。この変異株はrasの機能を調べる上で非常に重要な変異株であると考える。
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