研究課題
今年度も多くの修復に関連する新しい遺伝子が酵素され酸素活性が明らかにされ、又細胞、個体レベルの研究と進んでいる。成果の一部は次の通りである:1.紫外線によるDNA損傷を修復するいくつもの修復酵素及びその遺伝子を種々の生物種から単離、精製、解析をおこないDNA修復研究の歴史に新しい数ページを加えた (安井、藤堂)。その中には、哺乳動物由来のシクロブタン型二量体を光回復する酵素とその遺伝子、ショウジョバエ由来の(6-4)型二量体を光回復する酵素、さらにアカパンカビ由来のシクロブタンと(6-4)の両型の二量体を特異的に切る酵素などがある。2.塩基欠落部位を修復する酵素遺伝子が単離され、その酵素活性が詳しく調べられ、修復酵素以外に還元酵素として働くことが明らかになった。(関)。3.DNA依存性のATPaseがヒトから新しく単離され、それが切断されたDNAの修復に関わりあっていることが明らかになった(榎本)。4.ヒトのヌクレオチド除去修復の研究では、XPC蛋白質とそれに結合しているHHR23の遺伝子を単離して蛋白質の機能を同定しつつある(益谷)。XPA蛋白質の機能ドメインの同定のために、蛋白質の結晶化が進みつつある(白川)。新しい除去修復欠損の患者を同定し、その細胞を樹立した(山泉)。また、DNA損傷によりがん抑制遺伝子p53が核に蓄積するが、この反応はDNA損傷により転写が阻害されることにより生じることを明らかにした(山泉)。5.活性酸素が生みだすDNA損傷を修復する機構である8オキソ-dGMPaseの存在を明らかにしてその精製が進んでいる。(早川)。
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