研究課題/領域番号 |
05271102
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堅田 利明 東京大学, 薬学部, 教授 (10088859)
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研究分担者 |
芳賀 達也 東京大学, 医学部, 教授 (30011646)
野村 靖幸 北海道大学, 医学部, 教授 (00034041)
清水 孝雄 東京大学, 医学部, 教授 (80127092)
市川 厚 京都大学, 薬学部, 教授 (10025695)
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キーワード | GTP結合タンパク質 / 情報伝達 / 細胞膜受容体 / イオンチャネル / 効果器 / リン酸化 |
研究概要 |
本重点領域の計画研究は、情報転換器として機能する3量体GTP結合蛋白質(G蛋白質)が介在する情報伝達系について、広範且つ集中的に研究することを目的とし計画班員12名により行われた。初年度にあたる平成5年度おいては、数多くの細胞膜受容体と効果器としての各種酵素・イオンチャネルとの共役のメカニズムを、蛋白質の精製とcDNAクローニング、精製蛋白質を用いた再構成実験系、蛋白質をコードする遺伝子導入実験、蛋白質分子の詳細な構造と機能との関連などから解析した。 1.新たに細胞膜を7回貫通するタイプの受容体、プロスタグランジンE、PAF、トロンボキサンA_2などのcDNAが多数単離され、種々のG蛋白質との再構成実験から、受容体-G蛋白質連関の特異性を制御する機構の知見が得られた。また、脱感作現象と関連する受容体キナーゼによる受容体分子のリン酸化に、G蛋白質のβγサブユニットが促進効果を示すことが明かにされた。 2.G蛋白質を介する効果器系の活性調節機構については、αサブユニットの変異体などを用いた検討から、サブユニット分子上の機能的な部位の解析が進められた。また、G蛋白質がホスホリパーゼCの活性を逆に抑制するという興味ある知見が、さらに、ホスホリパーゼDの活性化に3量体のG蛋白質に加えて低分子量GTP結合蛋白質が関与するなどの新しい知見が得られ、G蛋白質の生理的役割の拡大に関する研究が進展した。 3.G蛋白質分子の構造と機能との関連については、分子多様性をもつG蛋白質の個々の構成サブユニットが精製され、αサブユニットへの脂肪酸付加やγサブユニットのプレニル化などの翻訳後修飾がサブユニット間の、あるいは受容体、効果器分子との相互作用に重要であることが明かにされた。
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