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1993 年度 実績報告書

TAP遺伝子の多型と疾患感受性における役割

研究課題

研究課題/領域番号 05272201
研究機関北海道大学

研究代表者

笠原 正典  北海道大学, 医学部, 助教授 (30241318)

研究分担者 西野 秀昭  北海道大学, 医学部, 助手 (40198487)
石橋 輝雄  北海道大学, 医学部, 教授 (60001872)
キーワードTAP遺伝子 / 抗原提示 / 主要組織適合遺伝子複合体 / シリアン・ハムスター
研究概要

1.TAP〔Transporter associated with antigen presentation〕分子はサイトゾルから小胞体内腔へペプチドを輸送することにより主要組織適合遺伝子複合体〔Major Histocompatibility Complex:MHC〕クラスI分子にペプチドを供給する。ラットではTAP遺伝子に多型が存在し、TAP遺伝子の多型によってMHCクラスI分子に結合するペプチドのレパトアが変化する。我々はヒトTAP〔TAP1,TAP2〕遺伝子に多型が存在するか否かを検討した。その結果、3個のTAP1アリルと5個のTAP2アリルの存在が確認された。しかし、アリル産物間のアミノ酸置換は1〜3個しかなく、しかも置換の大部分はペプチド輸送の特異性に影響を及ぼさないと思われるATP結合ドメインに位置していた。このことから、ヒトTAP遺伝子の多型によって疾患感受性が規定される可能性は低いことが示唆された。
2.TAP遺伝子に機能的に意義のある(すなわち、MHCクラスI分子に結合するペプチドのレパトアを変化させるような)多型のある唯一の動物種であるラットのクラスI遺伝子には、低レベルの多型しか存在しない。一般的に、MHCクラスI遺伝子自体に多型の乏しい動物では、TAP遺伝子の多型によってMHCクラスI分子に結合するペプチドのレパトアの個体差が生み出されているのかも知れない。この仮説を検討するために、我々は、MHCクラスI遺伝子に多型の乏しい代表的動物であるシリアンハムスターからPCR法を用いてTAP遺伝子を増幅し、多型の有無を検索した。現在までに、合計11系統のハムスターからTAP2遺伝子の膜貫通ドメインを増幅し、その塩基配列を決定したが、ラットTAP2遺伝子に見られるような多数のアミノ酸置換を伴うような多型は検出されていない。今後さらにハムスターの数を増やして検討する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Flajnik,M.F.: "A novel type of class I gene organization in vertebrates:A large family of non-MHC-linked class I genes is expressed at the RNA level in the amphibian Xenopus." EMBO J.12. 4385-4396 (1993)

  • [文献書誌] Sato,K.: "Evolution of the MHC:Isolation of class II β-chain cDNA clones from the amphibian Xenopus laevis." J.Immunol.150. 2831-2843 (1993)

  • [文献書誌] Greenberg,A.: "Isolation of a shark immunoglobulin light chain cDNA clone encoding a protein resembing mammalian k light chains:Implications for the evolution of light chains." Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90. 10603-10607 (1993)

  • [文献書誌] Kasahara,M.: "The evolutionary origin of the major histocompatibility complex:Polymorphism of class II α-chain genes in the cartilaginous fish." Eur.J.Immunol.23. 2160-2165 (1993)

  • [文献書誌] Shum,B.P.: "Isolation of classical MHC class I cDNA from an amphibian:Evidence for only one class I locus in the Xenopus MHC." J.Immunol.151. 5376-5386 (1993)

  • [文献書誌] Salter-Cid,L.: "HSP70 genes are linked to the Xenopus major histocompatibility complex." Immunogenetics. 39. 1-7 (1994)

  • [文献書誌] 小針 布実子: "TAP遺伝子の構造と機能" Medical Immunology. 26. 283-289 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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