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1993 年度 実績報告書

胸腺内T細胞分化における新しいチロシンキナーゼの構造と機能

研究課題

研究課題/領域番号 05272226
研究機関(財)東京都老人総合研究所

研究代表者

広川 勝〓  (財)東京都老人総合研究所, 免疫病理部, 研究部長 (00014093)

研究分担者 笠井 道之  (財)東京都老人総合研究所, 免疫病理部, 研究員 (10194705)
宇津山 正典  (財)東京都老人総合研究所, 免疫病理部, 研究員 (70167287)
倉島 知恵理  (財)東京都老人総合研究所, 免疫病理部, 研究員 (40161731)
白沢 卓二  (財)東京都老人総合研究所, 分子病理部, 研究員 (80226323)
キーワード胸腺 / チロシンキナーゼ / 遺伝子発現 / T細胞分化 / RT-PCR / in situ ハイブリダイゼーション / 個体発生 / マウス
研究概要

既知のチロシンキナーゼのコンセンサス領域を参考にしてデザインした変性プライマーを用い、マウス胎仔胸腺について、RT-PCR法を行い、チロシンキナーゼ遺伝子を多数単離した。これらの胎仔由来のチロシンキナーゼ遺伝子と既知のチロシンキナーゼ遺伝子との相同性を検討した結果、新しいチロシンキナーゼを得ることができた。既知のものとしてはfyn、itk、lckなどsrcファミリーに属するもの、またsykファミリーに属するものとしてZAP-70、更にJAKファミリーに属するものとして、JAK-1、JAK-2 および新しいメンバーとしてJAK-3を単離した。ZAP-70についてはcDNAの全構造を決定して、ヒトZAP-70と比較し、アミノ酸レベルで96%の相同性があることが分かった。キナーゼドメインを含むリボプローブを作成し、 in situハイブリダイゼーション法にてZAP-70の組織内における分布を検討した。その結果、マウス新生仔胸腺では被膜下皮質と髄質リンパ球に発現が強く、皮質部のダブルポジティブ細胞では発現が微弱であり、ZAP-70の発現が胸腺リンパ球の増殖と分化に深く関連していることが分かった。今回単離したJAKファミリーの新しいメンバーは、JAKファミリー特有の2つのキナーゼドメインを持ち、構造上JAK-2とアミノ酸レベルで56%の相同生を示し、JAK-3命名した。これらのJAKファミリーのチロシンキナーゼは胸腺リンパ球ばかりではなく、胸腺上皮細胞にも発現する事に特徴があり、しかも、その発現パターンがメンバーにより少しずつ異なった。JAK-3は胎児期の胸腺で強く発現し、生後になると減弱したが、一方JAK-1は生後になってから発現が増強した。胸腺上皮細胞における発現ではJAK-3は皮質型に強いが、JAK-1は逆に髄質型に強く、異なったパターンを示した。JAK-2の胸腺における発現は他に較べて微弱であった。胸腺の器官発生と過程とJAKファミリーのチロシンキナーゼの発現が密接に関連している事が強く示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Zeng Y-X et al: "Analysis of genes for signal transduction in T cell clones derived from young and mice." Biomed.Gerontol.17. 80-81 (1993)

  • [文献書誌] Utsuyama M et al.: "Influence of age on the signal transduction of T cells in mice." Int.Immunol.5. 1177-1182 (1993)

  • [文献書誌] 石島早苗ほか: "マウスにおけるZAP-70チロシンキナーゼの構造、遺伝子発現および組織内局在について" 日本免疫学会総会・集会記録. 23. 364- (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2019-02-28  

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