研究課題/領域番号 |
05273101
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤井 義明 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00098146)
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研究分担者 |
山本 雅之 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50166823)
半田 宏 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (80107432)
長田 重一 大阪大学, 医学部, 教授 (70114428)
石井 俊輔 理科学研究所, 分子遺伝, 主任研究員 (00124785)
審良 静男 兵庫医科大学, 教授 (50192919)
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キーワード | 遺伝子破壊マウス / コアクチベータ- / STAT / 転写伸長 / Myb / GATA-1 / Ahリセプター / ダイオキシン |
研究概要 |
本重点領域研究は今年度が最終年度となるので各々の研究班員は一応のまとめをすることを中心に研究を行った。審良はSTAT3遺伝子の欠失マウスを作製したところ、同型接合体で致死になることを見出した。致死は胎生期の極めて初期に観察され、原腸形成にも至らないことが判明した。また転写因子STATの特異性を決める部位がSHドメインと考えられていたが、STAT1とSTAT3のドメインスウィッチの実験からSTAT3のチロシンリン酸化部位よりさらに下流のアミノ酸も特異性の決定に関与していることを明らかにした。石井はCBPがMybのコアクチベータ-であることを明らかにすると共にショウジョウバエのcubitus interruptusのコアクチベータ-としても働き、形態形成の因子として働いていることを明らかにした。半田はカゼインキナーゼ(CKII)が転写制御に関与していることを見出して、その阻害剤DRBの作用点は転写開始前にあるが、その作用効果は転写伸長段階に現れることを見出した。これはRNAポリメラーゼIIの転写伸長活性が転写開始前に既に調節されているという新しい転写制御機構を示したものである。そのDRBの転写阻害に関わる転写制御因子(DSIF)を同定し、分離・精製した。DSIFは160と14kDaのサブユニットからなる複合体で、その部分アミノ酸配列からオリゴヌクレオチドのプライマーを作製して、RT-PCR法によってcDNAの全構造を決定した。その結果DSIFは酵母の転写因子SPT5とSPT4に相当するヒトホモローグであることが判明した。山本はGATA-1の遺伝子破壊マウスの作製に成功し、同型接合体は卵黄嚢造血細胞の成熟障害のため貧血となり胎生致死となることを明らかにした。藤井はダイオキシンなどの薬物誘導に関わるAhリセプター/Arntへテロ2量体のArntの転写活性化ドメインがCBP/P300と相互作用することを示し、この転写活性化系でもCBP/P300がコアクチベータ-として働いていることを明らかにし、さらに東大・医科研・勝木教授との共同研究でAhリセプター破壊マウスを作製し、Ahリセプターがダイオキシン等の催奇形性に関与していることを明らかにした。
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