研究概要 |
BarH1,BarH2間80kbを含め、両遺伝子を含むクローン化された、全長200kbの領域を各種の制限酵素で平均10kb程度に分割し、それぞれにlacZ遺伝子を結合させ、P因子発現ベクターに挿入し、複眼色遺伝子を選択マーカーとし、トランスジェニックハエを複数ラインづつ作成した。X-gal染色、抗lacZ抗体により組織染色を、embryo,larvaeおよびpupaeについて行い、BarH1、BarH2の組織特異的エンハンサー分布の物理地図を作成した。得られた結果は、抗BarH1/BarH2抗体と逆位変異体を用いて得られた粗い物理と矛盾しなかった。現在までに確認されたエンハンサーとしては、肢の一節での円環状発現を決め、肢の二次元平面からの伸長を支配しているエンハンサー、複眼の光受容細胞R1,R6およびfurrowでの発現を制御するエンハンサー等、存在が予想された多くのエンハンサーが単離された。現在これらのエンハンサー含有断片を更に小さく切断し、再度トランスジェニックハエを作り、最終的にエンハンサー領域を200bp程度までに絞るための実験をしている。また、BarH1,BarH2欠損による行動異常の原因エンハンサーも同定され、その発現中枢神経細胞の特定を急いでいるところである。
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