研究課題/領域番号 |
05274104
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
細谷 浩史 広島大学, 理学部・生物科学科, 助教授 (90183102)
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研究分担者 |
桜庭 均 広島大学, 都臨床研・臨床遺伝学研究室, 室長(研究員) (60114493)
小山内 たか 広島大学, 都臨床研・生命情報研究室, 主任研究員 (60126018)
田井 直 広島大学, 都臨床研・腫瘍免疫研究室, 室長(研究員) (70112092)
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キーワード | 細胞骨格 / ガングリオシド / GM2 / 微小管 / Tay-Sachs細胞 |
研究概要 |
(1)培養Tay-Sachs細胞およびGM2に対するモノクローナル抗体を使用し、間接蛍光抗体法によってGM2の細胞内局在を検討した。観察には、通常の蛍光顕微鏡及びレーザースキャン顕微鏡の両方を併用した。その結果、細胞内に多数のベシクル状の染色像が観察され、また、その周辺に繊維状の染色像が常に観察された。細胞の固定法には、(1)フォルマリン水溶液、(2)パラフォルムアルデヒド、(3)グルタールアルデヒド、(4)メタノールなどを用いたが、(1)および(4)を用いた固定の場合のみ、上記のベシクル状及び繊維状の構造の両方が明瞭に観察された((4)による固定は、微小管の構造保持に最も適していることが分かっている)。 (2)次に、(1)で観察された繊維状の染色像が、細胞骨格構造かどうかを、GM2とチューブリンに対するモノクローナル抗体を用いた二重染色法により検討した。その結果、これらの繊維状構造は両抗体により二重染色されることが明らかになった。 (3)(2)で観察された繊維状構造が微小管かどうかをさらに明確にするために、ノコダゾール(微小管を破壊し、数を少なくする)およびビンブラスチン(微小管の"結晶構造"を細胞内に作る)をTay-Sachs細胞に作用させ、(2)と同様に二重染色法により観察を行った。その結果、これらの操作により改変された微小管構造は、全てGM2抗体により染色され、細胞内で微小管とGM2が共局在していることが明らかにされた。 (4)次に、タクソールを用いてTay-Sachs細胞から微小管を直接単離し、GM2が結合しているかどうかを検討した。その結果、ELISA法およびウェスタンブロッティング法により、単離・精製された微小管からGM2が検出された。また精製されたチューブリンダイマーにタクソールを加えて再構成した微小管に、外からGM2を加えたところ、GM2は微小管と結合することが明らかになった。
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