研究課題/領域番号 |
05275103
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山村 研一 熊本大学, 医学部, 教授 (90115197)
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研究分担者 |
武田 洋幸 名古屋大, 理学部, 助教授 (80179647)
仲村 春和 京都府立医大, 生物学教室, 教授 (90079690)
村松 喬 名古屋大学, 医学部, 教授 (00030891)
中辻 憲夫 国立遺伝学研究所, 遺伝実験生物保存センター, 教授 (80237312)
近藤 寿人 大阪大学, 細胞工学センター・多細胞生体系研究部門, 教授 (70127083)
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キーワード | 遺伝子トラップ / ES細胞 / 始原生殖細胞 / マウス / ゼブラフィッシュ / ニワトリ |
研究概要 |
遺伝子トラップ法を用いて、効率よく未知遺伝子を単離できるかどうか解析した。その結果、選択マーカー遺伝子であるネオ耐性遺伝子のポリAを除去することによりトラップ効率が約7倍上昇すること、この方法によりマウスDNAを約3kbまで容易に単離できること、単離したマウス遺伝子のうち約60%は未知のものであること、トラップベクターが組み込まれるときその3'側においては大きな再構成や欠失が起こることがわかった。N-myc欠損マウスは胎性13日目頃に致死となる。従つて、この時期以降のN-mycの機能を解析することができない。そこで、対立遺伝子の両方を破壊したES細胞を作製し、これを用いてキメラマウスを作製し解析したところ、N-mycが気管支の形成過程にも必須であることが明らかとなった。マウス始原生殖細胞を体外培養するための条件を検討したところ、BRL(buffallo rat liver)細胞の培養上清が増殖効果をもつこと、LIF(leukemia inhibitory factor)やSCF(stem cell factor)以外に初期においてはTNF-alpha(tumor necrosis factor alpha)が必須であることが明らかとなった。この始原生殖細胞をLIF、SCFばかりでなくbFGF(basic fibroblast growth factor)を加えて培養すると、多分化能をもつES様の細胞を樹立できることが明かとなり、EG(embryonic germ)細胞と名付けられた。また種々の系統のマウスからの樹立できることもわかった。ゼブラフィッシュは体が透明で発生過程を容易に観察できるため、発生研究で注目を集めているが、キメラ個体作製も容易であることがわかった。ニワトリは、胚に対して容易に組織の移植ができるという利点があるが、レトロウイルスベクターを用いることにより、効率良く特定の領域の細胞にのみ遺伝子を導入でき、その機能を解析できることを明らかにした。
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