研究課題/領域番号 |
05276102
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
今関 英雅 名古屋大学, 農学部, 教授 (90023431)
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研究分担者 |
山口 淳二 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 助手 (10183120)
山口 五十麿 東京大学, 農学部, 助教授 (00012013)
森 仁志 名古屋大学, 農学部, 助教授 (20220014)
佐藤 隆英 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (60125929)
山本 興太朗 北海道大学, 地球環境科学研究科, 助教授 (80142008)
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キーワード | 植物ホルモン / 生合成 / 作用機能 / 刺激特異的遺電子発現 / エチレン / オーキシン |
研究概要 |
植物ホルモンの生合成調節と作用機構を分子レベルで解明する目的の本研究班では、それぞれエチレン、オーキシンに主要な展開が見られた。エチレン生合成の律速酵素アミノシクロプロパンカルボン酸合成酵素(ACS)遺伝子の発現様相を各種の条件下で詳細に調べ、発現調節ネットワークの大綱を明らかにした。すなわちACSアイソザイム遺伝子は発現特性からオーキシン型、傷害型、追熟型に分けられるが、この刺激特異的発現は第2の刺激によってさらに特異的に制御される。オーキシン、アブシジン酸は傷害型遺伝子発現を促進するが、オーキシン型遺伝子発現はアブシジン酸で抑制されるなど、各刺激の信号伝達経路を生化学的に解析し得る端緒を得た。同時に果実におけるACS遺伝子の発現は、種子周辺の胎座から開始し、果実周縁へ拡大することを明らかにして追熟進行に置けるエチレンの生理的理解を深めた。また、エチレン受容体の銀イオンとの特異的結合性を利用して従来とは全く異なった発想で受容体の候補を特定し得る結果を得た。一方、オーキシンで細胞伸長とともに発現する遺伝子の一つは脂肪酸不飽和酵素遺伝子であることを同定し、本酵素と細胞成長との関係を調べた結果、本酵素の阻害は伸長成長、プロトン放出をも阻害することを明らかにして、遺伝子の発現、プロトン放出と細胞成長との関係を追究すれば細胞形態の構築における植物ホルモンの機能を分子レベルで解明し得る糸口を得た。ジベレリンによるアミラーゼ遺伝子の発現もアイソザイム特異的であることがイネで明らかにされ、植物ホルモンの生理作用を理解する上で、アイソザイム遺伝子の機能を重視する本計画研究の基本が支持されつつある。
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