研究課題/領域番号 |
05277103
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤澤 肇 名古屋大学, 理学部, 教授 (60079689)
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研究分担者 |
江口 吾朗 岡崎国立共同研究機構, 基生研, 教授 (80022581)
村松 喬 名古屋大学, 医学部, 教授 (00030891)
中村 敏一 大阪大学, 医学部, 教授 (00049397)
黒岩 厚 名古屋大学, 理学部, 教授 (20134611)
井出 宏之 東北大学, 理学部, 教授 (70022704)
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キーワード | 細胞認識分子 / 細胞成長因子 / ホメオティック遺伝子 / 神経形成 / 四肢形成 / 細胞分化転換 / 器官形成 |
研究概要 |
器官の形成と再生を制御する分子機構を明らかにするため、以下の研究を行い成果を得た。 1、細胞認識に関与する膜分子ニューロピリンを過剰発現するキメラマウスで神経系、血管系、ならびに四肢の形成異常が確認され、ニューロピリンが形態形成の様々な側面を制御する分子であることが明らかにされた。(藤澤肇) 2、肢芽間充織細胞の細胞選別能・接着能が肢芽の部域により違いがあり(井出宏之)、この違いがHox遺伝子の発現と相関していることが明らかにされた。(黒岩厚) 3、ニワトリで肝細胞増殖因子HGFとその受容体c-metのcDNAクローニングがなされ、胚発生時でのこれら遺伝子の発現動態が明らかにされた。(中村敏一) 4、細胞成長因子midkine(MK)がレチノイン酸で発現制御されていること、MKがP19細胞を神経に分化誘導すること、神経繊維の伸長を促すことが明らかにされた。(村松喬) 5、色素上皮細胞のレンズ細胞への分化転換が、細胞成長因子bFGF、ならびに、TGFβ結合蛋白質により制御されていることが明らかにされた。(江口吾朗) 6、ニワトリ胚で発現する受容体型チロシンキナーゼ遺伝子の分離がなされ、発生期の運動ニューロンで特異的に発現するtk-14,retが見いだされた。(田中英明) これら本年度の研究成果は、神経系や四肢をはじめとする複雑な形態を備えた器官の形成と再生を制御する機構を、細胞成長因子、細胞認識・接着分子、ホメオティック遺伝子を手がかりにして総合的に解明することが可能であることを示している。
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