研究課題/領域番号 |
05277208
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
嶋田 拓 広島大学, 理学部, 教授 (70011559)
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研究分担者 |
山田 一実 広島大学, 理学部, 助手 (80220367)
赤坂 甲治 広島大学, 理学部, 助教授 (60150968)
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キーワード | 発生 / 原腸 / アリールスルファターゼ / 遺伝子発現 / ウニ / シスエレメント / 転写因子 |
研究概要 |
ウニ胚におけるアリールスルファターゼ(Ars)遺伝子の発現調節に関して、本年度は以下の成果が得られた。 (1)Gストリング結合蛋白質の単離:Ars遺伝子上流のエンハンサー領域には多数のGストリング配列があり、この配列への特異的結合能を指標にGストリング結合蛋白質の単離を行った。原腸胚核抽出液から、Gストリングを含むArs遺伝子断片を結合させたアフィニティカラム、DEAEセルロースカラム、硫安塩析、SDS-PAGE(12%)で活性画分を単1バンドとして単離した。(2)ドーサル配列結合活性の単離:ドーサルモチーフへの結合活性を目安に、ウニ胚核抽出液をアフィニティカラム、DEAEセルロースカラム、SDS-PAGEで分画し、68kD蛋白質を得たが、ドーサル結合蛋白質と同定するには至っていない。(3)Ars遺伝子インビトロ転写系:DNA結合蛋白質の転写因子活性を検索するためインビトロでArs遺伝子を転写する核抽出液系を作成した。この系ではArs遺伝子の転写は見られるが、上流のエンハンサーをインビトロで働かせることは今年度は成功しなかった。(4)Ars遺伝子の組織特異的発現調節領域の検索:Ars遺伝子の全転写調節領域にCATを結合させた融合遺伝子をウニ卵に顕微注入して発生させ、CAT抗体を用いた全載標品免疫蛍光染色法でCAT発現部位を検索すると、CATの発現は反口外胚葉でのみ認められた。この融合遺伝子のArs領域からポリピリミジン配列とその近傍配列を欠失させたものを注入すると、発現の反口外胚葉特異性が失われたので、ポリピリミジン配列またはその近傍にArs遺伝子の組織特異的発現を制御するシスエレメントがあると考えられる。
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