研究課題/領域番号 |
05278104
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柴崎 亮介 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70206126)
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研究分担者 |
後藤 真太郎 金沢工業大学, 経営工学科, 助教授 (80247436)
本多 嘉明 横浜国立大学, 環境科学研究センタ, 講師 (60251774)
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キーワード | 地球環境資源 / 地利利用 / 適地分析 / 食料問題 / 炭素固定 / 森林保全・再生 |
研究概要 |
地球環境問題の解決に向けて、環境税の導入などの経済的なインセンティブによる方法、エコテクノロジーなどの技術開発による方法などさまざまな対策が試みられている。本研究では森林や草地などの再生可能な地球環境資源の現存量や利用可能量を地形データや衛星データなどから評価し、持続的な利用という観点から見た利用可能量を評価することを試みる。それにより、地球環境資源のより適切な利用形態や利用可能量が算出される。 本年度は炭素蓄積・固定の観点から森林保全・再生の適地度を推定し、それによる炭素蓄積可能量などを算出した。さらに衛星データから農業生産による食料生産可能量(潜在生産性)を推定する手法を開発し、持続的な食料生産の観点から農業利用の適地評価も行った。森林保全・再生適地と農業生産適地との間にはコンフリクトがあり、それぞれの環境資源(土地区画)をどちらに割り振るかによって、地球全体で生産可能な食料、蓄積可能な炭素量が異なる。両者の適地度の大小関係は食料生産量に対して蓄積された炭素量の相対的な価値などの程度に評価するかを決めることによって直接評価できる。そこで何通りかの相対評価値を想定することにより、両者の適地度の高さを比較し、より高い適地度を有する利用形態へ土地を割り振ることにより、炭素蓄積可能量と食料生産可能量のトレードオフ関係を評価した。 一方、森林などによって固定・蓄積する必要のある二酸化炭素が入間活動の結果どの程度は移出されるかをEdmonds-Reillyモデルを利用して何通りかのシナリオに対して推定できるようにした。これによって地球環境資源への負荷を算出することができ、環境資源で処理できる負荷を求める適地分析結果とあわせて地球環境資源の利用・管理計画を検討する基礎を構築できた。
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