研究課題/領域番号 |
05301013
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
若葉 陽子 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (20014730)
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研究分担者 |
星 三和子 東京家政学院筑波短期大学, 情報処理部, 助教授 (30231004)
奥平 洋子 埼玉県立衛生短期大学, 保育学科, 教授 (30149174)
大野 勉 埼玉県立小児医療センター, 未熟児新生児科, 医長
奈良 隆寛 埼玉県立小児医療センター, 神経科, 医長 (80180537)
大伴 潔 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30213789)
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キーワード | 超未熟児 / 極小未熟児 / 医学的情報 / 小児神経学的検査 / 視覚的認知能力 / 交互運動機能 / 行動特徴 / 幼稚園への適応 |
研究概要 |
昨年度検査や観察の対象となった被験児のうち、検査に応じた35名を対象に、引き続き諸検査や観察等を一部の対象児に実施し、現在も実施中である。一部対象児は距離的に離れていることや子供自身の習い事があるなどの理由で追跡調査に応じなかった。 奈良は小児神経学的検査として片足立ちの検査や模倣性連合運動等を実施した。全般的にみて、神経学的に未熟な傾向を示した。 若葉は視覚的認知能力をフロスティッグ視知覚検査を実施検討した。先行研究の健常児の結果と比べると、全般的に得点が低い傾向にあり、特に特定の下位項目の得点が低い発達のバランスの悪さが観察された。また、知能検査結果との関連をみたが高い相関がみられた。 若葉・大伴は昨年と同様の検査・観察バッテリ-(ITPA言語学習能力診断検査・発語器官の交互運動機能の測定・連続絵の説明課題・自由遊戯場面の発話行動の観察)により、言語能力の発達状態の評価を行いつつある。全般的に、言語能力は健常児より低い傾向があり、特に連続絵の説明課題では因果関係的な事象を言語で明確に述べることが困難な傾向がみられた。 奥平は質問紙を用いて、家庭での行動特徴や幼稚園への適応状態を調査し、大野により取り出された幼少期の医学的情報との関連を検討した。家庭での問題行動は特記すべきものはなく、幼稚園の適応も問題はみられず、過去の医学的なリスクも大きく影響はしていないと解釈された。これは養育に当たる父母の適切な養育態度によりもたらされたと考えられた。 星は今年度得られた知見を参考にしながら、来年度実施するための学校への適応に関する質問紙の作製をした。 全般的にみて、入院時の医学的所見を反映して対象児の発達状態にやや遅れはあるものの、幼稚園や家庭への適応は良好であった。
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