研究課題/領域番号 |
05301013
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
若葉 陽子 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (20014730)
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研究分担者 |
星 三和子 東京家政学院筑波短期大学, 情報文理学科, 助教授 (30231004)
大野 勉 埼玉県立小児医療センター, 未熟児新生児科救急部, 医長副部長
奈良 隆寛 埼玉県立小児医療センター, 神経科, 医長
大伴 潔 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30213789)
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キーワード | 超未熟児 / 極小未熟児 / 教育機関 / 適応 / 知能検査 / 言語検査 / 小児神経学的検査 / 縦断的研究 |
研究概要 |
平成5年度から3年間の計画で追跡している出生体重1500g未満の対象児38名を対象に、就学期を迎えた今年度は以下の検査・観察・資料収集等を実施した。(1)小児神経学的検査:片足立ち検査、重心動揺検査、模倣性連合運動検査(2)WISC-R知能検査(3)言語能力評定:新版ITPA言語学習能力診断検査、3〜4コマの連続絵を一つずつ呈示しストーリーの説明を求める「連続絵説明課題」、構音器官の運動機能検査、必要によって構音検査(4)小学校への適応検査:現担任、親に学習障害(LD)診断テスト、性格検査、学業・運動・行動特徴・友人関係・学校への態度・生活習慣に関する質問紙。 これらの結果から、知的発達に関してはほぼ正常範囲であり、言語能力の発達についてはやや年齢水準より劣る者がいることが伺われた。全体的にみて小学校入学当初は遅れがあった子が多く、1年間でかなり健常児に追いついていた。生理的な側面を反映する脳神経系の成熟度をみる検査では、約1カ年の著名な遅れがみられるに拘らず、精神心理的な検査における全体的な得点は遅延がそれほどではなく、特定の領域:運動、体力、行動の速さ、積極性、友人関係、読解力などに問題がみられた。各児の全体的な発達の水準および学校への適応状態についての詳細な検討を今後続ける予定である。 また、[初年度(5歳時)][第2年度(6歳時)]に得た資料について検討を行い、今年度開催の音声言語医学会および新生児未熟児医学会で発表したが、5、6歳時の言語能力は知能検査結果に比べて得点が高いこと、5歳時点では活動性、自我・自律性、運動協応、集中・持続力が低い傾向があった。種々の得られた結果を教育機関における資料として位置づけていきたい。
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