研究課題/領域番号 |
05301021
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
坪井 健 駒澤大学, 文学部, 助教授 (00119108)
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研究分担者 |
田中 正浩 武蔵野短期大学, 講師 (90207142)
大熊 道明 山村女子短期大学, 講師 (40104898)
根橋 正一 流通経済大学, 社会学部, 助教授 (50164661)
北川 慶子 中京短期大学, 教授 (00128977)
鍾 清漢 川村学園女子大学, 教育学部, 教授 (30070519)
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キーワード | 青年文化 / アジア研究 / 留学生 / 国際交流 / 価値観 / ライフスタイル / 友人関係 / 国際比較 |
研究概要 |
本研究は、在日アジア人留学生と日本人学生の交流阻害要因を、留学生、アジア諸国の学生、日本人学生の行動文化の比較という視点から明らかにしようとしたものである。本年度は、アジア学生調査(中国大陸、台湾、韓国・タイ)を実施した。この調査研究から、いくつかの新しい知見がもたらされた。 1.学生文化の中心である勉学への態度は、アジア諸国の学生と日本の学生では大きな違いがあった。日本は学習時間が最も少なく、勉強意欲も「強い」人は中国・タイの半分程度の4割しかいない。学生文化の類型でみると日本は「遊び型」、中国・タイは「学問型」、台湾、韓国はこの両タイプが拮抗している。いずれにしても、日本の学生は、最も勉強への志向が弱いことが、留学生調査との比較のみならず、アジア学生との比較でも言うことができる。 2.また、外国人の友人が「いない」率は、日本が最も多く、日常的な交友関係の国際性の弱さを示している。その背景には、家族・親族の国際性の貧困も関係がある。また友人関係の取り結び方でも、「甘えすぎない」という回答が日本学生に多く、友人間の心理的距離が遠いという傾向がある。友人に対する「自己犠牲」の精神も日本の学生は、他のアジア諸国の学生より弱い。3.日本の学生の「生活の充実」感、「将来の夢」「生き方への自信」のいずれもアジア諸国の学生より劣り、「無目的感」、「自己不確実」感を感じる学生が多い傾向がある。学生生活の目標を失っている日本の学生が多く見られる。父の学歴・職歴に関しては、留学生の場合のようには、日本とアジアに差はなかった。
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