研究課題/領域番号 |
05301030
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
窪田 眞二 筑波大学, 教育学系, 助教授 (80170033)
|
研究分担者 |
沖 清豪 早稲田大学, 第二文学部, 助手 (70267433)
小野田 正利 長崎大学, 教育学部, 助教授 (60169349)
林 量俶 埼玉大学, 教育学部, 教授 (70134327)
西村 絢子 日本女子体育大学, 体育学部, 教授 (10120792)
今橋 盛勝 茨城大学, 人文学部, 教授 (30007463)
|
キーワード | 父母の教育権 / 学校参加 / PTA / 学校参加組織 / 学校参加制度 / 親の教育権 |
研究概要 |
本研究は、日本における父母による学校参加組織の実態を明らかにし、親と教師という直接の関係者の参加制度に対する意識を探るとともに、欧米の学校参加制度の改革動向と制度の運用実態および問題点を明らかにすることを目的とする。本年度は、昨年度末までに準備を行った日本の小学生と中学生を持つ父母の学校参加に対する意識調査と5カ国対象の学校参加組織実態調査を日本向けに実施した。以下にそこで得られた知見を述べる。 1.日本の父母が知りたいと考えている学校情報として、自分の子どもの内申書や指導要録が挙げられ、個人教育情報についての父母の要望の高さがうかがわれた。また、「学校への要望や働きかけ」がPTAの活動として必要であるという回答が多く、学校に対する要望を持つ父母が多い。 2.PTA(に準ずる組織)の責任ある役職は避けたいが、手伝えることがあればやりたいと思うという回答が半数を超える。役員にはなりたくないという傾向が見られる中で、実際に役員を経験したことのある父母は、全体のほぼ3分の2にのぼっている。 3.国際比較調査の参加組織の編成状況について見ると、日本では父母と教師とで構成される組織(PTA)は93%の学校で存在する一方、父母のみで構成される組織はあまり存在しない。独では父母と教師とで組織される組織がPTAを含め3分の2に存在する一方、父母のみで構成される組織も40.0%に存在する。米・豪・英では父母と教師とで組織される組織が圧倒的に多く、いずれの国もその多くがPTAである。仏では父母のみで構成される組織が存在する学校からの回答が多い。 4.PTA会長の選出方式は日本では推薦委員会の合議で会長が決定される学校が7割である。その他の国は基本的に立候補に基づく選挙で会長が決定されるが、中でも独・仏・豪は原則的に立候補以外の方法を採用していない。米・英でも基本的には立候補に基づいた選出が実施されているが、一部の学校では推薦委員会の合議や前会長・校長の推薦で決められる場合も見られる。独・仏・豪の学校では、親はPTA(に準ずる組織)に対して自らの意思を表明し、積極的に関与することが期待されていると見られる 以上の研究成果は、最終報告書としてまとめたが、クロス集計分析や膨大な自由記述の分析、および調査結果と各国の歴史的要因などとの関連については、引き続いて検討を加えていく必要がある。
|