研究課題/領域番号 |
05301031
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中山 和彦 筑波大学, 電子情報工学系, 教授 (50091913)
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研究分担者 |
大谷 尚 名古屋大学, 教育学部, 助教授 (50128162)
余田 義彦 東京家政学院, 筑波短大, 助教授 (20191653)
東原 義訓 筑波大学, 電子情報工学系, 助手 (90143172)
石田 敏子 筑波大学, 文芸・言語学, 教授 (10052250)
能田 伸彦 筑波大学, 教育学系, 教授 (80020121)
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キーワード | 日系児童 / 二国語問題 / 計算手法差 / CAI / 教材開発 |
研究概要 |
日本における外国人就労者の数は1992年度において、15万人を越えると言われている。その中には家族同伴で来日している人も少なくない。本研究は、日系就労者の子どもを対象にしてその教育のために有効なCAI教材を開発することを目的にしている。平成5年度は、3年計画の本研究の第1年目であり、児童の実態調査と教材の開発を中心に、平成5年度研究実施計画に基づいて実行をした。 研究・実践対象を、豊田市立東保見小学校に在校する日系ブラジル児童とした。これは、480名の全児童中35名が日系ブラジル人であるためである。 調査の結果、ポルトガル語も日本語も十分でない、どちらの言葉も中途半端な児童に学習不適応の児童が多くみられた。これは、日本語という新しい環境で学ばなければならないために学習不適応が生ずるのではないか、という当初の考え方を改めさせるものである。同じ団地で生活をしている同様な子どもの間で差が見られるのは、家庭での言語環境に違いがあるのではないかとの疑いを抱かせる。 算数の計算において、引算を足し算でする、例えば5-3の計算をする時に、ブラジルの学校では、3に1と1を加えて5になるから、答えは2であるというように教えていることが明確になった。そのため、日本で最初から勉強している子どもと、ある程度の教育をブラジルの学校でうけてから日本の小学校に入った子どもとの間で、引算において速度に大きな差が生じている。その差が、児童の学習意欲に及ぼす影響の大きいことが認められ、日本式の計算法を習熟させるためのCAI教材の必要性が求められ、日本語とポルトガル語を併用したコースウェアを開発した。
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