研究課題/領域番号 |
05301032
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡田 渥美 京都大学, 教育学部, 教授 (70027960)
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研究分担者 |
岡本 哲雄 近畿大学, 教職教育部, 講師 (60268464)
矢野 智 京都大学, 教育学部, 助教授 (60158037)
中村 清 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (20030033)
田中 毎実 京都大学, 高等教育教授システム開発センター, 教授 (70093432)
野々村 昇 活水女子大学, 文学部, 教授 (70030038)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 教育責任 / 人間形成 / 世代連鎖 / 異世代間相互形成 / ホモ・エドゥカンス / 人間形成論 / 生涯教育 / 教育人間学 |
研究概要 |
1.今日の深刻な教育危機を、つまりは、現代文明自体が孕む危機を克服するためには、教育を「子ども期」に限定してきた従来の教育学の視野狭窄を突破し、人間の「存在と生涯の全体」を視野に入れた包括的・原理的な「人間形成論」を構築しなければならない。こうした問題意識から我々はすでに、「生涯教育」及び「老いと死」に関する人間形成論的研究を行った。 2.我々は、人間まるごとの「全一性」(as a whole)に即した包括的な「人間形成論」の構築を目指しているが、そのためには必然的に「世代連鎖」を理論枠に組みこまざるを得ないし、しかもここに自ずから、先行世代による後続世代への「教育責任」の問題が顕在化してくる。この主題は、包括的な人間形成論を構築するための原理的なテーマであると同時に、国家・人類の存続に関わる文明論的・人類史的問題でもある。 3.我々は、平成5年より3年間、包括的な「教育責任論」の構築を試みてきた。すなわち、まず、「教育責任」に関わる文献を検討した。しかし、人間の存在と生涯の全体を視野に入れた、特に「異世代間相互形成」に焦点づけた研究は皆無であることがわかった。次いで我々は、研究の全体的枠組みと役割分担を策定した。最終年度は、これまでの研究成果を報告書に纏めた。その中で我々は、教育責任の問題は、「異世代相互形成」の問題であることを明らかにするとともに、この教育責任問題の視角から、「異世代間相互規制・相互形成」こそ、まさしく人間の「存在」と「形成」の基本構造であることを明らかにした。だが今回は「人間形成論的教育責任論」の輪郭を素描するに止まった。我々は今後、「ジェネラティヴィティ」などの問題を掘り下げ、より包括的・原理的な教育責任論を展開し、それを一書にして公表する予定である。
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