研究課題/領域番号 |
05301033
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
中村 雅子 桜美林大学, 国際学部, 助教授 (10227879)
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研究分担者 |
宮澤 康人 放送大学, 教養学部, 教授 (90012559)
田中 喜美 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (00115247)
坂本 辰朗 創価大学, 教育学部, 助教授 (60153912)
大桃 敏行 東北大学, 教育学部, 助教授 (10201386)
米澤 正雄 秋田大学, 教育学部, 助教授 (20175003)
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キーワード | 国民統合と教育 / アメリカ多元文化社会の教育 / 多文化主義 / マルチカルキュラリズム / 多文化教育 / ジェンダーと教育 / エスニシティーと教育 / 人種と教育 |
研究概要 |
共同研究の初年度は、文化統合・国民統合の理念や思想と公立学校制度の史的展開の関わりに着目し、先行研究についての共通理解を深めながら、研究目的に即したグループ研究体制を作ることに重点をおいた。(1)国民統合論、(2)教育政策、(3)高等教育、(4)教育実践の4グループによる作業にくわえ、全体研究会を2回開催した。その報告題目を研究グループごとに挙げると次の通りである。 (1)「アメリカン・エスニシティをめぐって一人種・民族関係をどのようにとらえるか」「変節するアメリカの夢-文化化のパラドクス」 (2)「国民統合と教育参加(自治)の史的検討」「19世紀におけるドイツ系移民の公立学校への参加-中西部諸都市での公立学校へのドイツ語の導入をめぐって」「マサチューセッツ州統合教育法(1855)の歴史的意義」 (3)「19世紀末のフェミニズムと女性の高等教育」「アメリカにおけるユダヤ系の大学」 (4)「アメリカ障害者教育史研究のまとめ-多元文化社会における国民統合と教育に関する視点から」資料検索も順調にすすめることができたが、1960年代以降のアメリカにおける先行研究には歴史研究がきわめて少なく、本研究の重要性が再確認された。エスニシティー、人種、ジエンダー、宗教などの多様性の構造と、多様性に関する教育思想の検討から、「教育による国民統合」と「公教育における差別」の構造、「個人主義と「集団」の緊張関係など、現在の多文化主義をめぐる論争点の歴史的生成過程の分析視点が、より具体的に明らかにされてきたといえる。研究成果については、最終年度に共同研究報告書を作成する予定であり、今年度は分担者の個別関連論文は記載しないこととする。
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